元世界ランキング9位のフベルト・フルカチュ(ポーランド)がツアー中の生活について語った。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトがそのインタビュー動画を公開している。
選手のツアー中の生活をテーマにした今回のインタビューでは、プロデューサーが滞在先のウィーンのホテルにフルカチュを訪ねるという形式で行われた。部屋の中に招き入れたプロデューサーにまずフルカチュが紹介したのは組立式のマッサージテーブル。この上で多い時は一日に数時間は過ごすという。身長196cmと長身のフルカチュは、ほかの選手と同じように移動の多い生活の中でも身体のケアには常に気を遣っており、優秀な療法士のおかげでどこにいてもたっぷりと質の高いトレーニングができていると話す。念入りにマッサージをしてもらっている間、療法士との会話はほとんどない代わりに、その時放送されている試合やレースを一緒に観るそうだ。
フルカチュは筋金入りの車好きとして知られ、子どもの頃のミニカー収集に始まり、今でも気になった車は徹底的に調べるという。F1は予選から見るほどの大ファンで、ツアー中でもレースを「見逃すことはほとんどない」と話す。F1に参戦するメーカーの中でもマクラーレンが好きなフルカチュは2021年、イギリスに本拠を置くマクラーレン社とスポンサー契約を結んでいる。この日もフルカチュはF1について書かれた分厚いハードカバーの本を持っていた。
続いてフルカチュが「クールなパーカー」として紹介したのは全面にカラフルなコミックの柄がデザインされた個性的なパーカー。「カジュアルな食事に行く時もこれを着るんだ」とかなり気に入っている様子。フルカチュといえば、2021年のシーズン最終戦「ATPファイナルズ」で開催地のトリノを選手たちで散策した際、そのファッションセンスを称賛されたことでも知られる。オフホワイトのタートルネックに黒のブルゾン、チャコールグレーのズボンでシックに決めたフルカチュは、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)やキャスパー・ルード(ノルウェー)から「この日一番のベストドレッサー」に選ばれ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)には「僕からアドバイスすることは何もない」と言われていた。そんなフルカチュだが、今回プロデューサーから「ファッションが好きなの?洋服を探しに行ったりショッピングは?」と聞かれると、フルカチュは「ノー」と笑いながら即答。「自分が気に入ったものを着られればそれで十分」と説明している。
おしゃれにこだわりはないというフルカチュに対して、プロデューサーが目につけたのは彼が履いていたサンダル。プラスチック製のサンダルは真っ白で、甲バンド中央にはリゾートスタイルのパディントンが描かれている。練習やトレーニングで長時間シューズを履いているため、開放感のあるサンダルは快適だとフルカチュは話しており、こちらもデザインにこだわったというよりは機能を重視したようだ。
渡航の多い生活に自分は適しているかと聞かれると、フルカチュは忘れ物をすることはないが荷物が多くなりがちで、容量が30kgほどのスーツケース2つにテニスバッグにリュックというのが普通だという。
最後に、好きなトーナメント開催地について聞かれたフルカチュは、海の近くや美味しいレストランのある場所が特に好きで、観光するのは自然も街の中も好きだと答えている。この取材時に滞在していたウィーンのほか、まったく雰囲気の違うインディアンウェルズやマイアミも気に入っていて、いろいろな場所に行けること自体を満喫しているそうだ。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2021年「ATPファイナルズ」開幕前にトリノを散策するフルカチュとジョコビッチ
(Photo by Valerio Pennicino/Getty Images for ATP)