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シフィオンテク、自国サッカーチームのウェアを着たロシア選手を批判

「全豪オープン」でのシフィオンテク

世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が、「WTA1000 インディアンウェルズ」(アメリカ・インディアンウェルズ/3月8日~3月19日/ハードコート)で入場の際に自国ロシアのサッカーチームのウェアを着ていた第26シードのアナスタシア・ポタポワ(ロシア)を批判した。英BBCなど複数のメディアが報じている。

ポタポワは12日、第3シードのジェシカ・ペグラ(アメリカ)と対戦した3回戦で、ロシアのサッカーチームであるスパルタク・モスクワの真っ赤なシャツを着てコートに入場している。試合中は下に着ていたナイキのウェアでプレーしているものの、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、ポタポワのこの行為を批判する声があがっている。これまでにもロシア政府を非難し、ウクライナへの支援に努めてきたシフィオンテクは、第32シードのビアンカ・アンドレスク(カナダ)に勝利した13日の3回戦後に行われた記者会見で、ポタポワについてWTA(女子テニス協会)と話し合ったことを明かした。

「正直言って驚いたわ。たとえそのチームのファンであっても、この状況の中でああいった形で自分の意見を示してはいけないということは自覚しているものだと思っていた」

「WTAと話をしたところ、今のような状況でロシアのチームを宣伝するような行為は控えるべきだと、ほかの選手にも説明してくれると言ってくれて安心したわ。これで今後はこういうことは起こらないはず。でも、ちゃんとした説明がもっと前になされていなかったことで、こういうことが実際に起きてしまってとても残念。侵攻が始まった当初、ロッカールームはかなりカオスな状況だったわ」

「選手たちがどう対応すべきかの明確な指針がなかったから、気まずい状況もたくさんあった。最初から然るべき人たちがもっとリーダーシップを発揮してくれていれば、そういうことは避けられたかもしれない」

ポタポワ本人は、子どもの頃からスパルタクのサポーターだと主張し、そのシャツを着て入場したことは挑発行為には当たらないと発言。一部のテニスファンは、ポタポワが2月に投稿した画像でも同じシャツを着ていたと指摘している。

なお、シフィオンテクの上記の発言後にWTAが声明を発表。「この件に関して選手当人に、これは受け入れられないことであり不適切な行為だと正式に警告した」として、今後はもうこのような事態は起こらないはずだと述べている。

「WTA1000 インディアンウェルズ」では世界ランキング95位のレシヤ・ツレンコ(ウクライナ)が第2シードのアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)との3回戦を直前で棄権。ツレンコはその数日前にWTAのスティーブ・サイモン会長がロシアとベラルーシの選手を擁護するような発言をしたことが原因で、コートに出る直前にパニック発作を起こしていたと明かしたばかりだ。

シングルスのトップ100選手の中に男子はウクライナ人が1人もおらず、ロシア人が3人、ベラルーシ人が1人いるのに対して、女子はウクライナ人が4人、ロシア人が10人、ベラルーシ人が3人と、ツアー大会で対戦する確率や同じ会場にいる確率がかなり高くなる。また、現在は育休中のためツアーを離れているが、元世界3位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)も大きな影響力を持っている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全豪オープン」でのシフィオンテク
(Photo by Robert Prange/Getty Images)

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