「ATP1000 インディアンウェルズ」(アメリカ・インディアンウェルズ/3月8日~3月19日/ハードコート)の3回戦で顔を合わせた元世界ランキング3位のスタン・ワウリンカ(スイス)と第7シードのオルガ・ルーネ(デンマーク)の間で再び舌戦が勃発、そこへ怪我によりツアーを離脱中の元世界13位のニック・キリオス(オーストラリア)が口を出した。米テニスメディア Tennis.comなど複数のメディアが報じている。
昨年11月に行われた「ATP1000 パリ」の1回戦で初めて対戦したワウリンカとルーネ。この時ルーネはフルセットの末にワウリンカを下しているが、ネット際で握手を交わした際にルーネはワウリンカに「コート上で赤ちゃんみたいに振る舞うのは止めた方がいい」と告げられたという。昨年に大躍進を遂げた19歳のルーネだが、主審への暴言や対戦相手への敬意のない態度といったコート上の態度の悪さでもたびたび話題となっている。さらに、ルーネは不満をSNS上でもぶちまけることが多々あり、テニスファンの批判に対して暴言交じりで個別に反論することも珍しくない。
「ATP1000 パリ」以来の対戦となった「ATP1000 インディアンウェルズ」の3回戦で6-2、6-7(5)、7-5の接戦を制したのはワウリンカだった。ネット際で握手を交わした際にルーネは笑いながらワウリンカに「今度は何も言うことはないのか?」と、「ATP1000 パリ」での一件を示唆するようなことを聞いている。これに対してワウリンカが「何だって?」と言うと、ルーネは同じ質問を繰り返した。主審と握手を交わし終えて立ち去るルーネに向かってワウリンカは「今度は何て言ってほしいんだ?」と聞いたが、ルーネからの答えはなかった。
この一連のやり取りはカメラに収められており、米テニスメディアTennis ChannelなどがTwitterに動画を投稿している。また、この日のルーネは先日シーズン2への更新が決まったNetflixのテニスドキュメンタリー『ブレイクポイント:ラケットの向こうに』の取材を受けていたため、ワウリンカとの因縁の関係が同作に盛り込まれのかが注目される。
一方、試合後の記者会見でルーネとのやり取りについて聞かれたワウリンカは、37歳のベテランらしい対応を見せている。「あまり言うことはないよ。何か言うとすれば、彼は若くて非常に大きな可能性を秘めた選手だということ。ただ、ロッカールームにおいては、いつか後悔することになるような評判を自ら招いている」
そんなワウリンカの忠告とは裏腹に、ルーネは試合直後からInstagramやTwitterに自分を批判するテニスファンを説教するような内容を投稿し、またしても個別のコメントに反論している。あるファンは「午前3時44分なのにルーネはまだネット荒らしと戦っている」と投稿しており、別のファンは「コメントは見ない方がいい」とルーネにアドバイスした。
そして、このルーネとワウリンカの舌戦に乗っかってきたのが、膝の怪我のため昨年10月の「ジャパンオープン」を最後にツアーから離れているキリオスだ。これまでワウリンカと6回対戦しているキリオスも、2015年の「ATP1000 モントリオール」でワウリンカと揉め事を起こしており、その時は関係者が割って入っていなければ暴力沙汰になっていたかもしれないという。そんなキリオスはワウリンカとルーネが握手を交わす写真をInstagramのストーリーに投稿し、「ハハハハハ。勝った時は何も言うことはない……いつものことだ。ルーネ、俺はお前の味方だ」とコメントを添えた。Instagram上で定期的に行っているファンとの質疑応答でキリオスは以前、「誰かのメンターになるとしたら絶対にオルガ・ルーネがいい」と話していた。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP1000 インディアンウェルズ」で握手を交わすワウリンカとルーネ(手前)
(Photo by Harry How/Getty Images)