現地10日、「ATP1000 インディアンウェルズ」(アメリカ・インディアンウェルズ/3月8日~3月19日/ハードコート)で世界ランキング103位のダニエル太郎(日本/エイブル)が3回戦に進出した。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じている。
予選から勝ち上がったダニエルの2回戦の相手は、2021年の「ウィンブルドン」で準優勝を果たした第20シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)。ダニエルは試合開始早々に訪れたチャンスを逃した直後にブレークを許すもすぐさま追いつくと、第1セットをタイブレークの末に取る。第2セットはベーグルで落としたものの、第3セットでは相手にブレークポイントすら与えることなく、7-6(5)、0-6、6-3で勝利した。ベレッティーニに対しては2018年の初対戦で勝って以降3連敗中だったが、久々に白星を挙げている。
先日、「ATP500 アカプルコ」で世界4位のキャスパー・ルード(ノルウェー)らを破って準々決勝まで勝ち進んだダニエル。このインディアンウェルズでも引き続き好調さをキープしていることを象徴するようなプレーが飛び出した。ゲームカウント2-0で迎えた第3セット第3ゲーム、ネット前に出ていたダニエルはベレッティーニのロブに追いついて股抜きショットで返球。ベレッティーニはドロップショットを狙ったが、ボールはネットを越えなかった。
ダニエルはルードを破った際にも同じように股抜きショットも使って息詰まるラリーを制しており、その時はTennis TVの公式Twitterに「マジかよ。信じられない(拍手の絵文字)」と称賛されていた。そんな彼が今回再び股抜きショットを見せたことをTennis TVは「太郎の股抜き警報!!!」と紹介。それをダニエル自身が「今週も!」とのコメントを添えてリツイートしている。試合後、ダニエルは「3回戦へ!コート内最高な雰囲気でした」とツイート。2018年大会以来2度目となる3回戦では、その2018年大会の1回戦で破った相手、第10シードのキャメロン・ノリー(イギリス)と対戦する。
またこの日は、第29シードとして出場する西岡良仁(日本/ミキハウス)が初戦に挑んだが、予選勝者の世界97位クリスチャン・ガリン(アルゼンチン)に第1セット終盤から8ゲームを連取され、4-6、0-6で敗れた。「全豪オープン」で4回戦まで勝ち進んだ西岡だが、2月以降はツアー3大会で1勝3敗と苦戦している。
西岡のほかにもドロー表でボトムハーフのシード選手たちが初戦を戦う中、第2シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)は、1回戦で元世界6位のガエル・モンフィス(フランス)を破っていた世界87位のジョーダン・トンプソン(オーストラリア)を相手に第1・第3セットでのタイブレークをモノにすることができず、6-7(0)、6-4、6-7(5)で競り負けた。チチパスはこのインディアンウェルズ大会と続く「ATP1000 マイアミ」の結果によっては初めて世界1位になれる可能性があったが、先日のアカプルコ大会を肩の怪我により欠場、今も本調子ではないとして、「これまでのキャリアであまり言ったことがないけど、今大会ではそんなに勝ち上がれないと思う」と述べていた。そのほかには、第21シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、第22シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)、第25シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)らもノーシード選手や予選勝者に敗れている。
第5シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)は世界48位のブランドン・ナカシマ(アメリカ)を6-4、6-3のストレートで下して2回戦突破。3大会連続優勝中のメドベージェフはこれで連勝を15に伸ばしている。彼以外には、第3シードのルード、第6シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)、第12シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、第13シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)、第14シードのフランシス・ティアフォー(アメリカ)らが3回戦へと駒を進めた。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真はダニエル太郎
(ロイター/アフロ)