世界ランキング49位のジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)が悪化した左手首の怪我を治すために手術を受けたことがわかった。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じている。
現在22歳のブルックスビーは、2021年にプロに転向してから着々とランキングを上げ、昨年6月には自己最高の世界33位を記録した。今年の「全豪オープン」では第2シードで優勝候補の一人だったキャスパー・ルード(ノルウェー)を2回戦で破る番狂わせを演じ、勢いを増すアメリカ男子勢の一人として一段と注目されるように。しかしそんな活躍の裏で、ブルックスビーは2年前から悩まされていた左手首の怪我が昨年12月に悪化し、「全豪オープン」の前に出場した「ATP250 オークランド」の準決勝で当時世界12位のキャメロン・ノリー(イギリス)と対戦した際には、第2セットを通してバックハンドをスライスで打つことしかできなかった。それでも、昨年は新型コロナウイルスに感染して欠場を余儀なくされた悔しさもあり、ブルックスビーはチームの反対を押し切って「全豪オープン」に出場したそうだ。
帰国後に医師の勧めを受けて手術に踏み切ることにしたブルックスビーは今月7日、完全に脱臼していた手首の腱鞘を修復するための手術を受けてそれが無事に終わったことを、病院のベッドに横たわる写真とともにInstagramで報告。コートに復帰するまでには10週間以上かかる見込みだという。「かなり酷い状態だということや、しばらく休まなければならなくなることはわかっていた」とブルックスビーは話している。「これまでは消極的な方法で何とかしようとしてきたけど、まったく効果がなかった。手術は最後の手段だったけど、かなり痛みがあったから受けることにした」
怪我を抱えながら「全豪オープン」に出場したことについてブルックスビーは、「こういう怪我を乗り越えるのはいつだって大変だ。この怪我を除けば、良いオフシーズンを過ごしたと思っている。身体もしっかりと鍛えられて、テニスのレベルも高く、試合でそれを発揮することができたよ。簡単なことではなかったけど、戦いたいという気持ちが強かった。大会が始まってからは、とにかくベストを尽くすことだけを考えていた」と振り返っている。
「最終手段に踏み切らなければならなかったのは悔しい。でも、前向きに考えて、今の自分にできることに集中するしかない。ひとまずサポートしてくれるコーチやチームを見つけて、必要な部分を鍛えたり、フットワークを改善したりする予定だよ」と話すブルックスビーは、長年連れ添ったコーチのジョセフ・ギルバート(アメリカ)と別れたばかり。「手首が完全に治ってコートに戻れるようになった時に、ほかの部分がかなり良くなっているように準備しておきたい。そこからはテニスをしながら手首の感触を確かめていくだけだ」
ツアーから離れている間は、リハビリとトレーニングの合間に家族や友達と過ごす時間を増やしたり、アウトドアを楽しんだりと、いつもよりテニス以外のことに時間をかけたいという。「せっかくだから、この機会を利用してテニスから少し離れるのもいいかもしれない。メンタル面をリセットして、できることを改善しようと思っている。復帰の準備が整ったら、また全力で上を目指すよ。その時のことを考えるとワクワクするね。これから自分のゲームの中でたくさんの部分を改善できる自信がある。もちろん、元の状態に戻って、さらなる高みを目指すつもりだよ。目標はかなり高いから、もっと自立した人間になって、目標に向かって頑張ろうと思っている」
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」でのブルックスビー
(Photo by Stringer/Anadolu Agency via Getty Images)