元世界王者のダニール・メドベージェフ(ロシア)が「ATP500 ドバイ」(アラブ首長国連邦・ドバイ/2月27日~3月4日/ハードコート)で優勝し、3週連続でタイトルを獲得した。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトなど複数のメディアが伝えている。
第3シードとして臨んだメドベージェフは、5試合すべてストレート勝利。準決勝で過去5回優勝している第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6-4、6-4で、決勝ではディフェンディングチャンピオンで第2シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-2、6-2で下した。
ジョコビッチに対しては、彼の年間グランドスラム達成を阻んだ2021年「全米オープン」決勝以降、4連敗中だったが、5試合ぶりの勝利で対戦成績を5勝9敗としている。アンフォーストエラーの数で大きく上回ったジョコビッチに第2セットでブレークポイントを与えなかったメドベージェフは、「彼よりもレベルの高いプレーができた」と喜んだ。開幕当初から続けてきた連勝記録が15でストップしたジョコビッチも「より良い選手に敗れた。重要な局面で自分がいいプレーができなかったのはわかっているけど、それは彼の出来が良かったからだ」と素直に敗北を認めている。
メドベージェフは続く決勝でも、過去2戦敗れていたルブレフから3試合ぶりの白星を手にしている。昨年10月の「ATP500 ウィーン」で優勝した後、今年の「全豪オープン」で3回戦敗退に終わるなど、しばらく苦戦していたメドベージェフだが、2月から「ATP500 ロッテルダム」と「ATP250 ドーハ」に続いての3週連続優勝となり、連勝を14に伸ばすとともに、ツアー単独トップのシーズン19勝目を挙げた。2021年以降で3週連続優勝を果たしたのは、キャスパー・ルード(ノルウェー)、フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)に続いて3人目だ。
「シーズン初めは完璧とは言えなかったから、(3大会連続優勝は)素晴らしいよ。試合に勝てない日々が続くと、自分を疑うようになる。でも今はかなり気分が良くなった。ここ3週間の出来に満足しているし、今後が楽しみだね」
メドベージェフはその言葉通りかなり気分が良かったようで、表彰式でジュニア時代からの付き合いであるルブレフが「今まで面と向かって言ったことはなかったと思うけど、僕はダニールのことをとても尊敬している」などと感動的なコメントをした際には、泣いたフリをするというユーモアセンスも披露した。また、通算タイトル数をここ3週間で15から18と積み上げたことから、最も多くのツアータイトルを獲得した現役選手としてドミニク・ティーム(オーストリア)やスタン・ワウリンカ(スイス)を抜いて単独6位としている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP500 ドバイ」でのメドベージェフ
(Photo by Francois Nel/Getty Images)