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怪我のためプロサッカーから転身した32歳の車いすテニス選手ペラヨ・ノボが列車事故で死亡

2022年「ブリティッシュ・オープン」でのノボ

元プロサッカー選手でその後車いすテニス選手に転身したペラヨ・ノボ(スペイン)が、列車事故で死亡した。英Express紙などが報じている。

ノボはスペインのアストゥリアス地方で列車事故に遭い、32歳の若さでこの世を去った。他のスポーツ経験者が不運な事故の後に車いすテニスに転向するケースは時々ある。ノボもその一人で、かつてはサッカー選手としてレアル・オビエドやアルバセテ・バロンピエなどに所属していた。2018年、ノボはチームメイトと共に泊まっていたホテルの3階から転落して大怪我を負い、サッカー選手としてのキャリアを終えることに。しかしノボはそこで諦めず、車いすテニス選手として再びアスリートの道を歩み始めた。厳しいトレーニングを重ね、スペイン12位の選手へ成長。今後も活躍が期待されていた。

陽気で見ている者に元気を与える人柄により、ノボはスペインで若手パラアスリートの大使のような存在となった。アストゥリアス・テニス協会の理事も務め、最近ではカタルーニャで行われた大会に出場していた。

ノボは2018年の事故の後も、希望を失わなかった。「人は、自分の状況に適応する。合理的に考えて、時間がかかることもある。悪い状況になってしまうこともあるからね」とかつてノボは語っていた。しかし、ノボは悪い状況から立ち直ることができた。「僕はそこから抜け出すことができた。今は素晴らしい時間を過ごしているよ」

昨年のインタビューでも、プールに行ったり、ビーチでサーフィンを楽しんだりと、新しい生活でも様々な楽しみを見つけていることを明かしていた。「僕は日に日に元気になっている。前へ進んで、幸せさ。もし怪我が背中のもう少し上の方だったら、もっと可動域が制限されていただろう。でも僕はいろんなことができる」

ノボの死を受けて、ノボが以前所属していたサッカーチームは次々と声明を発表。レアル・オビエドは、「悲しみに暮れています。私たちの財団のキャプテンでもあったペラヨ・ノボの死を悼みます。ご家族、ご友人の方へ。私たちも共にいます。ペラヨ、安らかにお眠りください」とツイートした。

ノボの言葉や功績は、今後も世界中の人々を勇気づけることになるだろう。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2022年「ブリティッシュ・オープン」でのノボ
(Photo by Ashley Allen/Getty Images for LTA)

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