マルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)は1月に、ガンの診断を受けたことを公表。チェコ系アメリカ人であるテニス界の伝説的選手ナブラチロワは、以前診断された乳ガンは2010年に克服していたが、またしても乳ガンと診断されたほか、今回はステージ1の喉のガンの診断も受けた。スポーツウェブメディアSportskeedaが報じている。
グランドスラムシングルスで18度の優勝を果たしたナブラチロワは、診断は深刻であるものの、持てる全てを使って病と闘う覚悟だと述べていた。「このダブルパンチは深刻ですが、治療が可能です。良い結果が出ることを期待しています。しばらくは大変になりますが、全力で戦います」
現在は治療が進む中、病院で苦しみを癒してくれるとても特別な友達がいることを、ナブラチロワは明らかにした。ナブラチロワは、ルルという名前のペットのミニチュアダックスフンドを仕事に連れて行く姿をよく目撃されているが、この飼い犬と一緒に病院にいる時の可愛らしい写真をSNSでシェア。テニス界を象徴する人物であるナブラチロワはこの時、「ATP250 ドーハ」準々決勝でのダニール・メドベージェフ(ロシア)とクリストファー・オコネル(オーストラリア)の白熱した試合を見ていたようだ。
ナブラチロワは、犬とタブレットの画面が写った写真に「ルルとテニスチャンネルが病院で時間をつぶすのを手伝ってくれる」と添えてTwitterにアップした。
この投稿で元気な様子を伝えた後、ナブラチロワには大量の優しいメッセージがなだれ込んだ。その中には、親しい友人であり選手仲間でもあるビリー・ジーン・キング(アメリカ)からのものもあった。キングの投稿はこうだ。「あなたのことを考えているわ、私の友だち」
ナブラチロワはこうしたメッセージの一つに回答する形で、厳しい苦難にはあるものの、現在ほど治療方法が揃っていなかった15年前に同時に2つのガンだと診断されなかったことを思えば自分は運がいい、と綴った。「もちろん、ピクニックでは決してない…。でもこれが15年前の私に起きなかったのは幸運ね」
アメリカガン協会首席調査員兼CEOのカレン・E・クヌーセン氏は、ナブラチロワの2つのガンの公表について見解を述べた。クヌーセン氏は、ガンが同時に発見されることは珍しいことではないと言う。「個人が一生のうちに2つ以上のガンの診断を受けることは、実は思うほど珍しいものではありません」
クヌーセン氏はさらに、2つの異なるガンがあることで治療は複雑になりがちであるものの、早期に発見されたことで、ナブラチロワにとって好ましい結果がもたらされるだろうと話した。「確かに治療が少し複雑にはなりますが、今回良かったのは、両方のガンを早い段階で見つけられたことです。喉のガンに関しては早期のステージ1で見つかったことで、かなり良い予後が期待できます」
ナブラチロワが持ち前の心と体の強さでこの難局を乗り切ってくれることを祈ろう。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2019年「WTAファイナルズ」のセレモニーでのナブラチロワ
(Photo by VCG/VCG via Getty Images)