インドのプネで開催されているチャレンジャー大会で、コート内に迷い込んだコウモリが、選手のサーブに巻き込まれて死ぬというアクシデントが起きた。英Express紙が報じている。
事件が起きたのは、現地2日に行われたプネ大会のダブルス準々決勝。第1セットの第7ゲームで27歳のNiki Kaliyanda Poonacha(インド)が打ったサーブに反応した相手選手は、その直後、自分のすぐそばに小さい黒いものが落ちていることに気づく。それはPoonachaがサーブした時に誤ってボールと一緒に強打し、コートの反対側まで飛んできた頃には死体となっていたコウモリだった。試合はすぐさま中断され、大会スタッフが死体を片付けている。ポルトガルのテニスメディア Raquetcが一部始終を捉えた動画をYouTubeにアップし、それを複数のテニスジャーナリストが「テニスコートで起きた最も滑稽な事態」などとコメントしてTwitterに投稿している。
前述の投稿の一つに反応したあるテニスファンによれば、2005年にレバノンで行われたITF(国際テニス連盟)主催の大会でも同様の悲劇が起きたそうだ。また、別のファンはメジャーリーグの元スター投手、ランディ・ジョンソンが2001年の試合中に自身の投球で鳥を殺めてしまったことを引き合いに出している。ジョンソンは当時、動物愛護団体から訴えられそうになったという。
大半が屋外で行われるテニスの試合中に招かれざる客がコートに現れることは珍しくない。2016年の「ATP1000マドリード」でも試合中のクレーコートにコウモリが“不時着”していたが、幸いこの時は選手に救出され、命を落とさずに済んでいる。2017年の「ATP1000 モンテカルロ」では同大会で優勝を飾るラファエル・ナダル(スペイン)の初戦に鳩が登場。鳩はナダルがサーブを打つ直前にネットにとまると、コート周辺からなかなか離れようとしないため、ボールキッズやナダルが追い回さなければならなかった。「ATP/WTA1000 マイアミ」ではその土地柄がゆえに、イグアナが観戦に訪れたことが何度かある。
一方で、動物たちがコート上に招かれることもある。例えば、2020年の「ATP250 ケルン」ではスポンサー会社のCEOの愛犬が連日VIP席で観戦し、表彰式にも堂々と登場していた。ロジャー・フェデラー(スイス)は2003年に母国グスタードで行われた大会で、その直前に「ウィンブルドン」で初優勝したことを称えて一頭の牛を贈られた。ほかにも、サンパウロ大会ではボールキッズの代わりに登場したボール犬が会場を盛り上げている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2019年「全豪オープン」でのもの
(Photo by Andy Cheung/Getty Images)