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18歳で世界50位に到達したノスコバ「世界中を回るのが本当に楽しみ」

「WTA500 アデレード」でのノスコバ

もしリンダ・ノスコバ(チェコ)が、自分の2022年シーズンがどれほど見事なものであったかを思い出す必要に駆られるようなことがあったら、ただ自分のパソコンに目をやればいい。彼女のパソコンの壁紙は、史上最高の選手の2人であるセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)とビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)と一緒に、「全米オープン」のダブルスの試合の時にコートで撮った写真だ。「そう、私には壁紙がある。これからもずっと変えないわ」とノスコバは言った。

これはノスコバの躍進のシーズンのハイライトの一つに過ぎない。18歳のノスコバは優れたジュニアのキャリアからプロツアーへと移行し、チェコの新たな才能の波を引っ張る選手の一人となった。ノスコバは世界ランキング200位内に入っているチェコの10代選手4人のうちの一人だ。注目の成長株であるノスコバのインタビューをWTA(女子テニス協会)公式オンラインメディアが紹介している。

ノスコバと同胞選手たちは、チェコ出身の大勢のグランドスラム優勝者や元世界1位の選手たちから刺激を得ることができる。「彼女たちのおかげで、私たちの国ではテニスがすごく人気だと言える。テニスクラブがたくさんあるし、コーチもたくさんいて、小さい頃にテニスを始める選手がたくさんいる」

チェコにおける女子テニスへの大きな関心と期待が、ノスコバが昨シーズンに最高の成績をおさめることに役立った。ノスコバは「WTA250 プラハ」で、初めてツアー大会の準決勝に進出。首都プラハで行われたこの大会で、ノスコバは2回戦でアリゼ・コルネ(フランス)を第3セットのタイブレークの末に倒し、最終的に優勝した同胞マリー・ブーズコバ(チェコ)に屈した。

「会場の雰囲気はただただ素晴らしかった。大勢のファンがやって来て、チェコの女子選手たちを応援しているのを見られて、本当に嬉しかった。私はそういう経験をしたことがなかったから」

昨季は、ノスコバがグランドスラムのプロレベルで初めて成功をおさめた年でもある。世界185位で「全仏オープン」に臨んだノスコバは、初めて出場したグランドスラム予選で3試合続けて勝利。当時17歳であったノスコバは、予選から「全仏オープン」の本戦入りを果たした女子選手としてはここ13年で最年少であった。ノスコバはその後、本戦1回戦で「全米オープン」前年度覇者であるエマ・ラドゥカヌ(イギリス)に3セットの接戦を強いた。

「“全仏オープン”はいつだって好きだった」わずか1年前に「全仏オープン」ジュニアシングルスのタイトルを獲得したノスコバは言う。「私にとってはただ素晴らしい経験だった。グランドスラムの大会で実際に何が起こっているのかを見ることができるだけで、本当に本当に嬉しかった。本戦入りしてエマ・ラドゥカヌと対戦出来たのは、本当にただ運が良かったのよ。試合も本当に最高だった」

ノスコバは「全米オープン」でも同様に予選を勝ち抜いて本戦に出場。「誰もが(グランドスラムでは)すごくワクワクしているわ。1年に4回しかないから、みんなそこで素晴らしい思い出が欲しいし、最高の成績を残したい。ただそこに行って、最高の戦いをするだけよ。“全仏オープン”と同じように、大きなアリーナを見るのはただ素晴らしかった。そうすると、“ああ、何が起きたとしても、いいプレーをしなきゃ!”って気持ちになる」

この「全米オープン」で、ノスコバは確かにいいプレーを見せた。記事の最初で触れたダブルス1回戦の試合がそうだ。グランドスラムのダブルスで3度優勝を果たしているルーシー・ラデッカ(チェコ)と組んだノスコバは、グランドスラムの女子ダブルスで14度優勝しているウイリアムズ姉妹を、アーサー・アッシュ・スタジアムで打ち破った。

広大なスタジアムでこうした優勝者経験者たちとプレーするというだけでも、ノスコバにとっては勝利そのものに勝るとは言えないまでも、それに匹敵する重要な経験であろう。特に、おそらくウイリアムズ姉妹が組んで出場する最後のダブルスの試合となれば尚更だ。

「夢が叶ったわ。実は、大会前にセレナかビーナスと一緒に写真を撮りたいと思っていたの、そうできる最後の機会かもしれなかったから。でも会場で最大のコートにこの2人の伝説的選手と一緒に立つことになるなんて、本当に思ってもみなかった」

世界265位で2022年の始まりを迎えたノスコバは、8月に87位まで上昇し、102位でシーズンを終了。11月には18歳になり、出場できる大会の数に制限がなくなった。2023年の開幕戦となった「WTA500 アデレード」では予選を勝ち抜くと、第3シードのダリア・カサキナ(ロシア)や第1シードのオンス・ジャバー(チュニジア)らを倒して準優勝。直後の「全豪オープン」予選では残念ながら初戦敗退となってしまったが、続く「WTA250 リヨン」ではまたも予選を突破してベスト8入りを果たし、キャリアハイの世界50位に到達した。

「2023年はシニアとしての初めての年になるから、好きなだけ大会に出られる。もう制限はない。世界中を回るのを、ただ本当に楽しみにしているわ」とノスコバは言った。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「WTA500 アデレード」でのノスコバ
(Photo by Robert Prange/Getty Images)

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