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13歳のフェルナンデスがツアー最年少勝利を挙げた日

1995年「全豪オープン」でのフェルナンデス

1985年2月5日、これは元世界ランキング4位のメアリー ジョー・フェルナンデス(アメリカ)が史上最年少の13歳5ヶ月でツアー勝利を手にした記念すべき日となる。仏テニスメディア Tennis Majorsが、38年前に起きた偉業の詳細を紹介している。

フェルナンデスはジュニア時代から目覚ましい活躍を見せ、14歳までにオレンジボウル(ジュニアの国際大会)の12歳以下、14歳以下、16歳以下の3部門で合計4回優勝。しかし、ほかの若き天才選手たちと違って、彼女の両親は娘の教育にも厳しく、フェルナンデスは13歳だった1985年にはすでにプロとして成功することを期待されながらも勉学とテニスを両立していた。

そんな彼女が1985年にデルレイビーチで行われた大会(のちの「ATP/WTA1000 マイアミ」)の1回戦で対戦したのは、当時世界107位で29歳のキャンディ・レイノルズ(アメリカ)。この時すでに10年のプロ経験を積んでいたレイノルズは、1983年に自己最高となる世界50位にまで登り詰め、ダブルスでは1983年の「全仏オープン」を含む20個のタイトルを獲得していた。

この頃の観客は10代の少女たちがWTAツアーで活躍する姿を見慣れており、16歳以下の選手が優勝する瞬間を何度も目の当たりにしてきた。中でも有名なのは1980年に14歳7ヶ月14日でラスベガス大会を制したAndrea Jaeger(アメリカ)、1981年に14歳6ヶ月24日で日本の大会で優勝したKathy Rinaldi(アメリカ)、そして1977年に14歳と28日でポートランド大会を制覇したトレイシー・オースティン(アメリカ)で、彼女たちはいずれも15歳になる前に初タイトルを獲得している。さらに、当時は14歳だった1983年にトップ100入りを果たしたシュテフィ・グラフ(ドイツ)が着々とランキングを上げているところだった。そのような状況にあっても、ひときわ幼い13歳のフェルナンデスがこの大会で初めてコートに立った時は注目を浴びた。

しかし、観客の単なる好奇心はやがて驚きに変わっていく。この試合でフェルナンデスは6-0、6-0のダブルベーグルとレイノルズを圧倒したのだ。フェルナンデスはそこからさらにトップ50のYvonne Vermaak(南アフリカ)とBonnie Gadusek(アメリカ)をストレートで退け、4回戦にしてようやく当時2回グランドスラムで優勝していた第7シードのハナ・マンドリコバ(チェコ)によって止められた。

フェルナンデスはさらにその数週間後、「全米オープン」の1回戦でSara Gomer(イギリス)を6-1、6-4で破り、同大会で勝利を挙げた最年少選手となった。

2000年に29歳で引退するまでにフェルナンデスはシングルスで3度グランドスラム準優勝を飾り、7個のツアータイトルを獲得、1990年には自己最高の世界4位に到達した。一方、ダブルスでは2度グランドスラムで優勝するなど17個のタイトルを獲得し、1992年の「バルセロナオリンピック」と1996年の「アトランタオリンピック」で金メダルに輝いている。引退後は米スポーツチャンネルのESPNで解説者を務め、長年ロジャー・フェデラー(スイス)のエージェントを務めるトニー・ゴッドシックと2000年に結婚。18歳となった息子のニコラス・ゴッドシック(アメリカ)は昨年の「全米オープン」の男子ダブルスに出場している。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は1995年「全豪オープン」でのフェルナンデス
(Photo by Gary Prior/ALLSPORT)

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