シーズン開幕から2ヶ月弱、あるジュニア選手が注目を集めている。今年に入り連勝を続けている15歳のジャガー・リーチ(アメリカ)は、元世界女王リンゼイ・ダベンポート(アメリカ)を母に持ち、父のジョン・リーチ(アメリカ)もテニス選手というテニス界のサラブレッドだ。ITF(国際テニス連盟)の公式ウェブサイトが伝えている。
テニス一家に生まれたリーチは、昨年からジュニアの大会に出場し始めたばかり。母のダベンポートはシングルスとダブルスを合わせてグランドスラム通算6回の優勝を誇り、1996年「アトランタオリンピック」のシングルスで金メダルも獲得している。
リーチは今シーズン15試合に出場し、全て勝利。しかも落としたセットは1セットのみと、素晴らしい内容での15勝だった。この連勝により、リーチはニュージーランドで行われた3つのITFジュニア大会(クライストチャーチ、ウェリントン、オークランド)を制した。
1月中旬にクライストチャーチで行われた大会で、リーチはITF大会で初優勝。シーズン初めにはジュニア世界ランキング444位だったが、今は193位まで順位を上げている。
3大会で優勝を飾ったリーチは、現在ITFのジュニア大会に出場する選手の中で優勝数単独トップを走っている。しかし複数の選手が2大会優勝で追っているため、気を抜くことはできない。
今シーズン15勝という数字は男子ジュニア選手では最多で、女子選手も含めると2位タイだ。トップを走るのは既に16勝を挙げているアヤ・エラ ウニ(モロッコ)で、リーチとNisan Can(トルコ)が15勝で続いている。
ダベンポートには4人の子供がいるが、リーチを含む最初の2人を出産した後もプロテニス選手として活躍を続けた。つまりリーチは赤ん坊の頃からテニスに打ち込む母の姿を見てきたことになる。ダベンポートは16歳の時にプロ入りし、世界のトップへと上り詰めた。母となってからのツアーでの経験について、後にダベンポートは次のように語った。「膝を痛めてから、もう二度とプレーできないかもと思ったこともあった。でも母になって、どこへ行くにも息子を連れてプレーを続けるのは素晴らしかった。こんなに可愛い赤ちゃんがいることが信じられなくて、プレッシャーをほとんど感じなくなった。とても幸せだったわ」
最上の形で2023年シーズンをスタートさせたリーチがどこまで才能を開花させていくのか、楽しみだ。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2008年「WTA250 オークランド」で優勝したダベンポートと前年に生まれたリーチ
(Photo by Hannah Peters/Getty Images)