ニュース News

綿貫陽介の躍進をATP公式サイトが紹介!錦織圭や大坂なおみへの思いも語る「彼は歴史を作った」

「エアトリ HEAT JAPAN 2022」での綿貫

24歳の綿貫陽介(日本/フリー)は昨年、ATPツアーの下部大会であるチャレンジャーツアーで自己最高の成績を残し、今年1月の「全豪オープン」ではグランドスラムで初勝利をあげた。そんな彼の傍にはいつも兄がいて、彼を助けてくれている。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じている。

綿貫は今週、メキシコのモンテレイでチャレンジャー大会に出場中。コーチを務めるのは5歳年上の次兄、綿貫敬介さんだ。現在世界ランキング130位の綿貫は、兄との関係について以下のように語った。

「兄にコーチを務めてもらうことはうまくいっているし、僕らはより強くなっていると思います。兄は僕のことをとても気にかけてくれます。兄はトップ選手ではなかったし、まだ若いし、トップ50選手を指導した経験もないので役不足ではないかという人もいます。でも僕らは一緒に育ったので、それが強みです。兄は良い打球を打ちますし、メンタル面でも優れています。それは本当に僕に役立っていると思います。時には喧嘩もします、兄弟ですから」

敬介さんがコーチになる約3年前までは、長兄の裕介さんが綿貫のコーチだった。ジュニア時代には世界ランキング2位まで上り詰めた綿貫は2022年に良い結果を残し、今季も好調を保っている。綿貫はまずトップ80位に入り、子どもの頃の夢を実現することを目標にしている。

「今年はトップ80位内に入りたい。来年の“パリオリンピック”に出場したいんです。それが僕の夢です。世界80位内に入れば、翌年オリンピックに出場できるチャンスがあります」

2022年シーズン後半の活躍の中にも困難はあった。9月下旬から開催された「ATP250 ソウル」本戦1回戦で当時世界59位のジャウメ・ムナール(スペイン)と対戦中に、足首を捻って途中棄権。ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場予定だった「ジャパンオープン」も欠場となった。綿貫が前に日本でツアー大会の本戦に出場したのは2018年の同大会でのことで、その時彼は予選を勝ち抜いて本戦出場権を獲得し、当時世界44位だったロビン・ハッサ(オランダ)を撃破してツアー本戦初勝利をあげたのだった。

だが足首の怪我から復帰すると、綿貫の快進撃が始まった。そこからシーズン終了までにチャレンジャー大会で14勝2敗という戦績をあげ、まず横浜大会で準優勝を果たすと、シーズン最後の神戸と四日市の2大会で連続優勝を遂げた。

「あの3週間は良いプレーができました。昨年の前半はあまり調子が良くなくて、ランキングが下がってしまいました。怪我から復帰して、とにかくベストのプレーをしようと努力したら、横浜で決勝に進出できて驚きました。それから2019年にチャレンジャー大会で初優勝した思い出のある神戸に行きました。最初の週の横浜でもとても嬉しかったけれど、2週目はもっと驚きました」

2023年の開幕戦となったキャンベラのチャレンジャー大会では準決勝に進出し、後に優勝した世界87位のマートン・フチョビッチ(ハンガリー)に敗退。その勢いのまま「全豪オープン」の予選を突破し、グランドスラム本戦初出場を決めた。

「本戦出場が決まった時はとても嬉しかったです、それまで7回グランドスラムの予選で敗退していたので。2度、予選決勝である3回戦に進出し、2度とも敗れていました。もちろん今年こそ本戦に出たかったので、少し緊張しました。決勝で勝った時はすごく嬉しかったです。本戦1回戦に臨んだ時はワクワクしていました」

綿貫は1回戦で世界59位のアルトゥール・リンデルネック(フランス)にストレート勝利し、2回戦で後にベスト8進出を果たした世界31位のセバスチャン・コルダ(アメリカ)に敗れた。

埼玉生まれの綿貫は、現在日本選手の中では西岡良仁(日本/ミキハウス)、ダニエル太郎(日本/エイブル)に次いで3位だ。綿貫は元世界4位で2014年「全米オープン」準優勝者、2016年「リオデジャネイロオリンピック」銅メダリストでもある錦織圭(日本/ユニクロ)や、元世界女王の大坂なおみ(日本/フリー)への思いも語った。

「錦織選手は歴史を作りました。日本人選手が世界4位になった、それは他の日本選手にも良いことです。“他の日本選手にできたんだから、僕らにもできる”と思えますから。大坂選手はグランドスラムで4度優勝しました。二人は僕に大きな力を与えてくれます、“僕もそこへ行ける”って」

「そして錦織選手は僕にテクニックやメンタル面でいくつかのことを教えてくれました。トップ4選手からのアドバイスなんてなかなかもらえません。とても良かったです」

チャレンジャーツアーを回ることは簡単ではない。常に旅をして、プロとしてブレイクしたいというプレッシャーと向き合わなければならない。綿貫にはテニスから離れる自分なりのやり方がある。

「日本にいる時は、真夜中に運転するのが大好きです。テニスをしているとすごいプレッシャーとストレスがあります。運転していると全部忘れて、リラックスできます」

今週のモンテレイでのチャレンジャー大会で綿貫は1回戦でワイルドカードのJames Van Deinse(アメリカ)を、2回戦で元世界18位のブノワ・ペール(フランス)を倒してベスト8に進出。現地24日に準々決勝で世界89位のデニス・クドラ(アメリカ)と対戦予定だ。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「エアトリ HEAT JAPAN 2022」での綿貫
(Photo by WOWOWテニスワールド)

WOWOWテニスワールド編集部

WOWOWテニスワールド編集部

facebook twitter

速報や最新ニュース、グランドスラム、ATP、WTAなどの大会日程と試合結果情報など、テニスのすべてをお届けします!

WOWOWテニスワールド

  1. Home
  2. ニュース
  3. 綿貫陽介の躍進をATP公式サイトが紹介!錦織圭や大坂なおみへの思いも語る「彼は歴史を作った」