現在、キャリアハイの世界ランキング7位につけるテイラー・フリッツ(アメリカ)が、27日に更新される世界ランキングで初のトップ5入りを果たすことが確定した。これはアメリカ勢としては、2009年9月のアンディ・ロディック以来、およそ13年半ぶりの快挙となる。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが伝えた。
フリッツの今季ここまでの戦績は11勝3敗。「全豪オープン」でこそ2回戦敗退に終わったものの、今月は「ATP250 ダラス」でベスト4、「ATP250 デルレイビーチ」で優勝を飾った。また、シーズン最初の国別対抗戦「ユナイテッドカップ」では5試合で4勝を挙げ、アメリカの優勝に大きく貢献している。
今週はどの大会にも参加していないフリッツは、現在3,660ランキングポイントで世界7位。3,860ポイントで世界5位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)とは200ポイント差、3,815ポイントで世界6位のラファエル・ナダル(スペイン)とは155ポイント差がある。だが、翌週のタイミングでルブレフとナダルは2022年の「ATP500 ドバイ」、「ATP500 アカプルコ」優勝で得た500ポイントが失効に。そして今週、彼ら3人の中で唯一大会に出場しているルブレフは、「ATP250 ドーハ」(カタール・ドーハ/2月20日~2月26日/ハードコート)でもし優勝したとしても250ポイントしか獲得できず、最大でも3,610ポイントにとどまる。その結果、フリッツがルブレフとナダルを抜いて5位に浮上するというわけだ。
先月の「全豪オープン」で活躍したこともあり、現在の世界トップ50には11人のアメリカ人選手がランクインしている。これだけ多くのアメリカ勢が上位を占めるのは、1995年の5月以来だ。
そのアメリカ勢のナンバー1であるフリッツは、昨年ナダルを決勝で下して優勝した「ATP1000 インディアンウェルズ」のほか、「ATP250 イーストボーン」「ジャパンオープン」も制した。同年初めは世界23位だったが、1年で世界9位まで浮上してみせた。ロディックを最後におよそ20年もの間アメリカ人の世界王者は生まれていないが、今後フリッツは世界5位よりも上へと進むことができるだろうか。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2022年「ATP1000 インディアンウェルズ」でのフリッツ(左)とナダル
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)