現在「WTA500 ドーハ」(カタール・ドーハ/2月13日~2月18日/ハードコート)に出場している世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が、この時期に開催されるツアー大会の少なさに苦言を呈した。伊ニュースサイト UBI Tennisなど複数のメディアが報じている。
ドロー数が32となる「WTA500 ドーハ」では、元世界女王のカロリーナ・プリスコバ(チェコ)のような実力者でさえ予選から参加しなければならなかった。また、今月の13日から18日にかけてWTAツアー大会は「WTA500 ドーハ」しか開催されておらず、この大会にエントリーできなかった選手や予選敗退となった選手は時間を持て余すことになる。そんな状況を懸念したシフィオンテクは、2回戦で世界ランキング42位のダニエル・コリンズ(アメリカ)に6-0、6-1で快勝した後にこう話している。
「何が原因でそうなったのかわからないけど、素晴らしい選手なのに予選を突破しなければならなかったり直接エントリーできなかったりするような、かなり残念な状況になっているわ。私はすべての大会に参加できる立場にいるけど、みんながそういう恵まれた状況に置かれているわけじゃない。このスケジュールで最も影響を受けている選手たちが気の毒だわ。ほかにも大会が開催されていれば今週もプレーしてポイントや賞金を稼ぐことができたのに、それができないんだから」
「この大会の1回戦を見れば、ドローに入ることの厳しさがわかるはずよ。もちろんどの大会も厳しいものだけど、この時期に別の都市で大会を開催するとか、もっと幅広い選択肢があるといいわね」
一方の男子ツアーではこの時期に「ATP250 デルレイビーチ」(アメリカ・デルレイビーチ/2月13日~2月19日/ハードコート)、「ATP250 ブエノスアイレス」(アルゼンチン・ブエノスアイレス/2月13日~2月19日/クレーコート)、「ATP500 ロッテルダム」(オランダ・ロッテルダム/2月13日~2月19日/室内ハードコート)と、3つの大会が異なる大陸で開催されている。
翌週の19日から26日にかけても、女子の大会は今シーズン初の1000大会となる「WTA1000 ドバイ」(アラブ首長国連邦・ドバイ/2月19日~2月25日/ハードコート)と重なるのは「WTA250 メリダ」(メキシコ・メリダ/2月20日~2月26日/ハードコート)のみ。対して男子は「ATP500 リオデジャネイロ」(ブラジル・リオデジャネイロ/2月20日~2月26日/クレーコート)、「ATP250 マルセイユ」(フランス・マルセイユ/2月20日~2月26日/室内ハードコート)、「ATP250 ドーハ」(カタール・ドーハ/2月20日~2月26日/ハードコート)の3大会が同時に開催される。2月全体の大会数を見ても女子が7個なのに対して男子は12個、さらにはチャレンジャー大会も12個あり、その差は歴然だ。
シフィオンテクは過去にも大会スケジュールの改善を求めたことがある。昨年終盤には両方出場することが決まっていた「WTAファイナルズ フォートワース」と「ビリー・ジーン・キング・カップ・ファイナルズ」のスケジュールがかなりタイトに組まれており、開催地も離れていたため、シフィオンテクは後者を辞退せざるを得なかった。シフィオンテクは当時、「このスケジュールはまったく理解できない」と強い口調で述べ、それぞれを主催するWTAとITF(国際テニス連盟)の歩み寄りが足りなかったとして苛立ちを露わにしていた。また、猛暑と雨によって本戦序盤の試合が順延された今年の「全豪オープン」でも、シフィオンテク自身は影響を受けなかったものの、大会側の不手際を指摘している。
なお、「WTA500 ドーハ」で第1シードのシフィオンテクはベスト4入りを決めており、準決勝では第8シードのベロニカ・クデルメトワ(ロシア)と決勝への切符を争う。もう一つの準決勝では第2シードのジェシカ・ペグラ(アメリカ)と第5シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)が対戦する。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」でのシフィオンテク
(Photo by Robert Prange/Getty Images)