現在開催されている「ATP500 ロッテルダム」(オランダ・ロッテルダム/2月13日~2月19日/室内ハードコート)で、ベスト8が出揃った。それを受けて元世界ランキング3位のスタン・ワウリンカ(スイス)の発したツイートが話題を集めている。Tennis World USAが伝えた。
プロテクトランキングを使って本戦に出場しているワウリンカは、1回戦で世界50位のアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)を、2回戦で元世界7位のリシャール・ガスケ(フランス)をいずれもストレートで破って準々決勝へ進出。その結果、次戦では第1シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を6-4、6-3で下した世界14位のヤニク・シナー(イタリア)と対戦することに。
ATP(男子プロテニス協会)が運営する動画配信サイト Tennis TVの公式Twitterが、ワウリンカとシナーの準々決勝が実現したことを受けて、「準決勝に進むのは?」と投稿。すると一人のテニスファンがワウリンカやシナーに向けて、「ワウリンカは棄権して、次の大会のために体力を温存した方がいい(笑) 勝つチャンスはないから」とコメントした。だがワウリンカは冷静に対応。「(対戦すれば)少なくとも、レッスンを無料で受けることができるよ」と、ウインクの絵文字も添える形で返答している。
なお、心ない発言をされたワウリンカだが、シナーとの対戦成績は2勝1敗と勝ち越している。2019年の「全米オープン」と「ATP250 アントワープ」で勝利。直近の対戦となる2022年の「ウィンブルドン」では4セットの末に敗れたが、室内ハードコートを得意とするシナーに同サーフェスの「ATP250 アントワープ」で勝っていることは好材料だろう。今月上旬には「デビスカップ」でスイス代表の勝利に貢献してもいる彼について、世界4位のキャスパー・ルード(ノルウェー)が「今年の彼は危険な存在になり得る」と発言するなど、ライバルたちも警戒している。チチパスを破ったことでトップ3選手から初勝利を挙げたシナーを相手に、ワウリンカが4度目の対戦でどんなテニスを見せてくれるのか楽しみだ。
そんなワウリンカはSNSで前述のほかにも粋な反応を見せてくれている。ブブリクが先週「ATP250 モンペリエ」で試合中に苛立ちを募らせてラケットを一気に3本破壊した際には、「(彼のラケットのメーカーである)ヨネックスが請求書を送るだろう」とコメント。そして今大会の2回戦で37歳の自分と36歳のガスケが顔を合わせたことを受けて、ATP公式Twitterが「ここには(二人合わせて)73歳分の経験が息づいている」と綴った際には、おじいちゃんの絵文字を二つ添えて反応していた。
「ATP500 ロッテルダム」のベスト8に名を連ねたのは、ワウリンカとシナーのほか、第3シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)、第6シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)。さらに第2シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)、第5シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド)をそれぞれ破った世界25位のアレックス・デミノー(オーストラリア)と元世界3位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、そしてともにワイルドカード(主催者推薦枠)での出場ながら第4シードのオルガ・ルーネ(デンマーク)、第8シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)をそれぞれ退けた世界160位のハイス・ブラウワー(オランダ)と世界61位のタロン・グリークスプア(オランダ)という顔ぶれだ。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2022年「ATP1000 モンテカルロ」でのワウリンカ
(Photo by Julian Finney/Getty Images)