• 【マッチハイライト動画】シェルトンとポールが「全豪オープン」準々決勝で激突！

現在は米スポーツメディア ESPNのコメンテーターや「レーバー・カップ」のチーム・ワールド（世界選抜）のキャプテンを務めるマッケンローは最近、アメリカ人男子選手への期待を熱く語った。今月13日に更新されたATPランキングでは、キャリアハイを更新した世界7位のテイラー・フリッツを筆頭に、10人のアメリカ人選手がトップ50に入っている。

先月行われた「全豪オープン」の活躍によって大幅にランキングを上げた選手も少なくなく、第16シードのフランシス・ティアフォー、第29シードのセバスチャン・コルダ、当時世界35位のトミー・ポール、同39位のジェンソン・ブルックスビー、同65位のマッケンジー・マクドナルド、同67位のJ.J.ウルフ、去年プロに転向したばかりの同89位ベン・シェルトン、そして同107位でラッキールーザーとして本戦に出場したマイケル・モーという計8人が3回戦へと勝ち進み、これは27年ぶりの快挙だった。最終的にコルダとシェルトンがベスト8、ポールはベスト4入りを果たしている。

マッケンローはグランドスラムで優勝する可能性について自国の選手たちを個別に評価し、最後に具体的な時期を口にした。

「ここ最近、選手たちは切磋琢磨しているようで、良い傾向だ。トミー・ポールやフランシス・ティアフォー、テイラー・フリッツあたりはジュニア時代からの仲で、かなりの時間を一緒に過ごしてきたことで成長できたんだと思う。ライリー・オペルカも手強い選手だ。個人的にはセバスチャン・コルダが今最も勢いのある選手だと思っている。ベン・シェルトンの試合はまだそれほど見ていないが、彼もとてもいいプレーをしていて、新しい風をもたらしてくれる選手だ」

「ポールはその高い能力で着々とランキングを上げてきたが、これまではトップレベルに必要なフィットネスとメンタルの強さを身につけるために努力をする準備ができていなかったと言える。でも、今の彼はそれを乗り越え、それが結果に結びついている。1年半前であれば、ジェンソン・ブルックスビーがアメリカ人の中で一番だと言っていただろうが、彼が躍進するにはサーブを磨く必要がある」

「アメリカ人の中で最もランキングの高いテイラー・フリッツは信じられないようなボールを打つ。ここ数回のグランドスラムでは残念な結果になってしまったけど、僕にとっては間違いなくトップ10にいるべき選手だ。一番伸びしろがある選手とは言えないかもしれないが、素晴らしい選手であることは間違いない」

マッケンローは昨年の「全米オープン」で準決勝に進出したティアフォーが、おそらく頂点に立つ可能性が一番高いアメリカ人だと感じており、近いうちにグランドスラムで躍進すると期待しているという。「ロジャー・フェデラー（スイス）の引退でテニス界には余白が生まれた。ラファエル・ナダル（スペイン）もこれからどうなるかわからないから、選手たちは新しい勢力図の中で自分の立ち位置を固める機会がある。ティアフォーは身体能力がずば抜けていてメンタル面も強くなってきたから、“全豪オープン”では残念な結果に終わったが、成長がかなり期待できる選手だ」

「今年か来年にはアメリカ人選手の誰かがグランドスラムで優勝するのを見ることになるだろう」

「全豪オープン」の準決勝でアメリカ勢最後の生き残りであったポールを破り、のちに優勝を飾ったノバク・ジョコビッチ（セルビア）も、アメリカ人選手たちの勢いを認めている。「アメリカは昔からトップ選手を輩出してきたけど、最近は4、5人の若手選手がトップレベルの目前に迫っている。テニス界にとってすごくいいことだ」

マッケンローの見込み通り、アンディ・ロディックが2003年の「全米オープン」で優勝して以来、20年ぶりにアメリカ人男子のグランドスラムチャンピオンが誕生するかが注目される。

（WOWOWテニスワールド編集部）

※写真は2022年「全米オープン」でのティアフォー
(Photo by Elsa/Getty Images)