モロッコ人の男子選手が単独犯としては史上最多となる135件で八百長を働いていたことが発覚し、生涯にわたる出場停止処分を言い渡された。伊ニュースサイト UBI Tennisなど複数のメディアが報じている。
インターナショナル・テニス・インテグリティ・エージェンシー(ITIA)が発表した内容によれば、36歳のYounes Rachidi(モロッコ)は135件の八百長容疑で有罪となり生涯出場停止処分を科されたという。Rachidiは2013年11月にダブルスでキャリアハイの世界ランキング473位を記録し、2017年秋にモロッコで行われたITF(国際テニス連盟)主催の大会を最後に公式戦には出場していない。ITIAはRachidiの違反行為を「極めて悪質」だとし、生涯出場停止処分に加えて3万4000ドル(約440万円)の罰金も科した。Rachidiは今後、テニスの統括団体が公認するあらゆる大会でのプレー、コーチング、参加が生涯にわたって禁じられる。
昨年9月には、選手経験もあるテニスコーチのセバスティアン・リベラ(チリ)が64件で八百長を行ったとしてテニス界からの永久追放処分を言い渡された。当時、この事件はITIAの前身母体であるテニス・インテグリティ・ユニット(TIU)が2008年に発足して以来、八百長が発覚した件数として最多と報じられていたが、Rachidiの八百長はその2倍以上に上る。
Rachidiの八百長にはアルジェリア人の2選手も関与していたとして、両選手にも処分が下されている。ITFの大会にのみ出場していた27歳のMohamed Hassanは2016年から2018年までの間に7試合で29件の八百長に関与していたことが発覚し、生涯出場停止処分と1万2000ドル(約160万円)の罰金を科された。もう一人のHouria Boukholdaはプロに転向しておらず、20歳の彼が最後に出場したのは2020年11月のジュニアレベルの大会となる。Boukholdaは2017年から2018年にかけて5試合で15件の八百長に関与していたが、事件当時の年齢と、Hassanから大きな影響を受けていたことが調査で判明したことを考慮して処罰は大幅に軽減され、2年間の出場禁止処分(18ヶ月の執行猶予付き)と1万ドル(約130万円)の罰金(9000ドルの執行猶予付き)が科せられている。
この3選手は、ITIAとともにベルギーで行われた警察の取り締まりの過程で調査対象として浮上した。
※為替レートは2023年2月10日時点
(WOWOWテニスワールド編集部)
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