ニュース News

中国人選手として史上2人目、トップ100入りの23歳ウー「これは始まりに過ぎない」

2022年「全米オープン」でのウー

中国男子テニス界が勢いづいている。ジャン・ジジェン(中国)が中国人男子選手として初めて世界ランキングトップ100位内に入って4ヶ月足らず、今度はウー・イービン(中国)が2人目のトップ100入りを果たした。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが伝えている。

23歳のウーは、先週アメリカのクリーブランドで行われたチャレンジャー大会で準優勝。2月6日に発表された最新の世界ランキングで順位を15上げ、自己最高の97位に到達した。「子供の頃から達成したかった目標だった」とウーはトップ100入りについて語った。「すべて叶って、もちろんいい気分だ。これで終わりじゃない。僕にとってこれは始まりに過ぎないと思う」

怪我が重なり思うように大会に出場できなかったウーは、昨年の3月には世界1869位まで順位を落としていた。しかしその後の3ヶ月間でチャレンジャー大会で3度優勝し、ぐんぐんランキングを上げていった。昨年の「全米オープン」では予選を通過し、3回戦進出を果たした。

「今はランキングが上がったから、今後はチャレンジャーよりもATPツアーに出場することになる。できれば今年はトップ30に入りたい」。その目標を達成するには今まで以上の成功が必要となる。だが6月初旬までたった40ポイントを防衛すればいいウーは、ランキングを上げられる可能性が高い。

「可能性はあると思う。今から”ウィンブルドン”まで、防衛するポイントは多くない。それが僕にとってランキングを上げるいい足掛かりになる」

2017年にジュニア世界ランキングで1位に到達したウーだったが、そこからの道のりは決して楽ではなかった。だが目標を見失わずに地道な努力を続けた結果が、今回のトップ100入りに結びついた。

「これまでのプレーに満足していると思う。ここ2、3年は怪我をしていないからさらに楽しめているよ。新型コロナウイルスのせいで遠征はできなかったけれど。テニスへの情熱を失わずに、プレーを楽しもうと心掛けた。それに僕には、テニスに集中させてくれる良いチームがついているしね」

ウーはジャン、そして18歳のシャン・ジュンチャン(中国)と良い友人関係を築いているそうだ。ジャンもシャンもジェリーという英名を使っているため、ウーは背の高いジャンのことを「ビッグジェリー」、後輩のシャンを「リトルジェリー」と呼んでいる。シャンは現在自己最高の世界165位につけており、近いうちに中国人男子3人目のトップ100入りを果たすと目されている。

ウーは、月曜日の朝に世界91位のジャンから祝福のメッセージを受け取った。「僕たちはずっと一緒にいるような気がしているよ。ビッグジェリーはヨーロッパでプレーしていることが多いから、スケジュールはかなり違っているけれど。僕とリトルジェリーはアメリカにいる。僕たちはいつもお互いのことを気に留めているし、尊敬し合っている。僕たち3人はすごく良い競争関係にある。僕たちが中国男子テニスの歴史をもっと作っていきたいと願っているよ」

現在「ATP250 ダラス」(アメリカ・ダラス/2月6日~2月12日/ハードコート)に出場中のウーは、2回戦で第3シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)をストレートで撃破しベスト8進出を決めた。試合ごとの結果を反映するライブランキングでは世界90位まで順位を上げている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2022年「全米オープン」でのウー
(Photo by Sarah Stier/Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

WOWOWテニスワールド編集部

facebook twitter

速報や最新ニュース、グランドスラム、ATP、WTAなどの大会日程と試合結果情報など、テニスのすべてをお届けします!

WOWOWテニスワールド

  1. Home
  2. ニュース
  3. 中国人選手として史上2人目、トップ100入りの23歳ウー「これは始まりに過ぎない」