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ラケット破壊をしていたエバートを冷静な「アイスドール」にした父の言葉とは?

2016年「WTAファイナルズ」の記者会見に出席するエバート

テニスのレジェンド選手クリス・エバート(アメリカ)は、亡き父ジミー・エバート氏が子どもの頃にくれた的確な助言を振り返った。元世界ランキング1位のエバートは、グランドスラムのシングルスで18度の優勝を遂げ、後に殿堂入りを果たすその見事なキャリアの中で、淡々と対戦相手を粉砕していたが、テニスコートでほとんど感情を見せないことから「アイスドール」と呼ばれた。

そうした振る舞いを彼女に教え込んだのは、コーチとしてエバートにテニスを教え、選手生活中の浮き沈みの中を導いた父ジミー・エバート氏であった。スポーツウェブメディアSportskeedaが報じている。

エバートは2021年に撮影された動画の中で、罵り言葉を吐いてラケットを壊すようになった12歳の頃に父からもらった助言について明かしている。エバートいわく、こうした様子を見た父から、対戦相手に一切の感情を見せないようにアドバイスされたという。感情を見せることで、相手は自分が優位にあるという印象を受けるというのがその理由だ。

「12歳くらいの頃、練習をしている時に罵り言葉を吐くようになって、ラケットをいくつか壊した。コーチだった父がコートにいて、こう言ったの。“怒りに駆られているのを対戦相手に見せたら、相手はそのことをすごく喜んで、なるほどこれはもらったなと思うだろう”って。それからこうも言った。“対戦相手に一切の感情を見せるな。そうすれば1セットにつき2ゲーム程度は取れると約束するよ”」

エバートはさらに、自分のあだ名「アイスドール」の由来についても明かした。エバートが父の助言に従い、コート上で平静を保つ様子で有名になった後にこう呼ばれるようになったのだという。

「一度そういう風になったら、私には簡単なことだった。私がそんな風であることを誰もが期待したから、そういうイメージができて、“アイスドール”とあだ名をつけられたの。そうなれば当然、私はその幻想を打ち砕いて突然大げさに感情を表したりラケットを投げたりすることはできなかった」とエバートは話した。

エバートは先日この動画をTwitterに投稿し、これは良い助言だったと今も思うと綴った。「これはいいアドバイスだったと今でも思うわ!!!」とエバートは動画にコメントを添えている。

ユーロスポーツが行ったインタビューで、エバートは妊娠を公表した大坂なおみ(日本/フリー)について、思いやりがあって優しいので素晴らしい母親になるだろうとコメント。そうした気質は子どもの世話をする上で最高に役立つだろうというのが、エバートの考えだ。

「素晴らしいニュースだと思うし、彼女は素敵なお母さんになると思うわ。なおみは選手生活の中で思いやりや優しさをたくさん見せてきた。それは別の人間を世話することにつながるから、最高のお母さんになると思う」

エバートはさらに、グランドスラムを4度制している大坂にとって、妊娠は「とても健康的」で「ほとんど癒し」になるだろうと言い添えた。

「彼女にとっては、とても健康的で、ほとんど癒しに近いものになるでしょう。彼女のことを思うと本当に嬉しい。なるべくしてそうなったんだと思うから。何ごとも理由があって起きると思うし、今回のことで彼女は全てのプレッシャーから解放されて、全ての注目から解放されるわ」とエバートは語った。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2016年「WTAファイナルズ」の記者会見に出席するエバート
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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