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出産後に初勝利のタウンゼント、子育てとの両立について語る

2022年「ビリー・ジーン・キング・カップ」でのタウンゼント

元ジュニア世界ランキング1位のテイラー・タウンゼント(アメリカ)が、テニス選手としてのキャリアと子育ての両立について語っている。WTA(女子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じた。

現在26歳のタウンゼントは、ジュニアとして活躍していた2012年、「全豪オープン」シングルスで15歳にして優勝、さらには「全豪オープン」「ウィンブルドン」「全米オープン」の女子ダブルスも制した。2012年終わりにプロへ転向すると、2015年にWTAランキングでトップ100入り、2018年にキャリアハイの世界61位に到達している。2021年3月に息子のアディンくんを出産したタウンゼントは1年後に復帰し、アメリカ国内のITF大会を中心にプレーしてきた。昨年はシングルスでITF大会優勝2回、ダブルスではダブルス元世界11位のケイティ・マクナリー(アメリカ)と組んだ「全米オープン」で準優勝を飾っている。

そんなタウンゼントは今シーズン、ダブルスで「WTA500 アデレード 1」と「WTA500 アデレード 2」で2週続けて優勝したのに続いて、ワイルドカード(主催者推薦枠)として出場した「全豪オープン」のシングルス1回戦も突破。出産してから初めてグランドスラムのシングルスで白星をあげた。当時世界135位のタウンゼントは、同じくワイルドカードで世界107位のディアン・パリー(フランス)を6-1、6-1で下している。オーストラリアでの大会に出場するため、もうすぐ2歳になるアディンくんを残して家を離れることになったタウンゼントは、こう語った。

「離れている時間をいかに価値あるものにするかが、私にとってすごく大事なの。試合の前にアディンと話したり、あの子の写真や動画を見たりすることで、なぜ息子と離れてまでテニスをしているのかを忘れないようにしているわ。良い時も悪い時もすべて受け止めて、意味のあるものにしなければならない。アデレード2大会のシングルスではそろって予選の1回戦で負けてしまったのに、その直後にこうして(グランドスラムで)勝てたように、何があっても進み続けることが大事なの」

出産後に復帰するにあたって、タウンゼントはセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)やキム・クライシュテルス(ベルギー)、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)といった元世界女王の先輩ママたちにアドバイスを求めたという。スポーツで夢と栄光を追い求めるというのは理想とも言えるが、タウンゼントがツアーに戻るのは、ほかの働く母親と同じようにお金を稼ぐためだ。

「経済的な状況は人それぞれで、私の状況はキム、セレナ、ビクトリアのとは違う。ある時点を迎えると私はお金を稼ぐためにプレーしなければならない。でも、そういうことにナイーブになってはいられないわ。私の銀行口座とセレナの銀行口座はまったく違うもの。それでも私はベビーシッターを雇ってツアーに戻ることができる。ただ、そういう人に同行してもらって、息子と一緒にツアーを回れるほどの余裕はないけどね」と話すタウンゼントは、ツアーに転向してから獲得した賞金のおかげで、アディンくんが生まれた後もしばらく休むことができたという。

「浮き沈みがあって、個人的な事情で犠牲を払わなければならないけど、今年が進むにつれて状況が変わっていくことを願っているわ」

1回戦後の記者会見でタウンゼントはほかの母親たちにもエールを送っている。「私の目標は周りの人や母親たちをインスパイアして、やりたいことは何でもできるということを示すこと。子どもがいるからといって、何かに打ち込んだり努力したりすることや、自分のやりたいことを諦める必要はないわ。息子が一緒にいる時もいない時も、あの子にとって最高のお手本になろうと努めている。息子に私のことを誇りに思ってもらいたいの」

タウンゼントは「全豪オープン」ではシングルスと女子ダブルスで2回戦敗退、ジェイミー・マレー(イギリス)と組んだ混合ダブルスではベスト8に終わっている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2022年「ビリー・ジーン・キング・カップ」でのタウンゼント
(Photo by Ross MacDonald/SNS Group via Getty Images)

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