シーズン最初のグランドスラム「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月16日~1月29日/ハードコート)もいよいよ最終日。男子シングルス決勝はグランドスラムで初の栄冠を目指す第3シードの24歳ステファノス・チチパス(ギリシャ)と、大会記録更新となる10度目の優勝を目指す第4シードの35歳ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が対戦。6-3、7-6(4)、7-6(5)でジョコビッチが勝利し、2年ぶりの優勝を果たした。
チチパスは「全豪オープン」でこれまでに3度ベスト4入りを果たしていたが、決勝進出はこれが初めて。グランドスラム全体では2度目の決勝進出となる。ジョコビッチは、チチパスが2021年「全仏オープン」決勝で最初の2セットを奪いながら大逆転で敗れた相手だ。ジョコビッチは今回優勝すればグランドスラムのタイトル数が22となり、男子シングルス最多でラファエル・ナダル(スペイン)と並ぶ。さらに世界ランキング4位と5位の二人は、優勝した方が世界ランキング1位となることが確定している。チチパスが勝てば初めての世界王者の座、2011年に初めてトップに上り詰めたジョコビッチにとっては昨年6月以来の世界1位復帰となる。対戦成績はジョコビッチの10勝2敗、2019年の終わりからジョコビッチの9連勝中だった。
第1セットはコイントスに勝ったジョコビッチのサーブから。サーブが好調で比較的簡単にサービスゲームをキープするジョコビッチに対し、チチパスはサービスゲームで何度もリードされる苦しい展開に。第2ゲームでは2度のピンチをなんとか凌ぐが、第4ゲーム30-40でダブルフォールトを犯し、ジョコビッチにリードを許してしまう。その後チチパスはドロップショットや、バックハンドの見事なポール回しなども見せるが、流れを変えることはできずジョコビッチが第1セットを取る。
自らのサーブから始まった第2セットでは、最初チチパスは一段ギアを上げたかに見えたが、次第にまたサービスキープに苦しむようになる。だが第7ゲームでジョコビッチは走っていってバックハンドで返球し、勢いあまったように転んでしまう。立ち上がってプレーを続けたジョコビッチだが、脚に影響がないか心配された。第10ゲームではいくつもジョコビッチらしくないミスが出てチチパスが一度はセットポイントを迎えるが、ジョコビッチが凌ぐ。タイブレークでは互いにミスを重ね、ジョコビッチのセット連取となる。
第3セットはいきなりジョコビッチのダブルフォールトで始まり、そのままチチパスがブレークに成功するが、粘るジョコビッチがすぐに追いつく。この試合2度目のタイブレークでは、ジョコビッチのウィナーとチチパスのエラーでジョコビッチがいきなり5-0とリード。チチパスはそこから5ポイントを返すが、最後はジョコビッチのラインぎりぎりのショットを返したチチパスのフォアハンドがアウトとなり、ジョコビッチの勝利となった。
ジョコビッチは2年ぶり10度目の「全豪オープン」優勝を遂げ、グランドスラム優勝回数を22回としてトップのナダルに並ぶとともに、世界王者へと復帰する。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」でのジョコビッチ
(Photo by Graham Denholm/Getty Images)
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