今年の「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/7月3日~7月16日/グラスコート)から、男子ダブルスが3セット先取の5セットマッチから2セット先取の3セットマッチに変更されることが明らかとなった。英BBCなど複数のメディアが報じている。
「全豪オープン」、「全仏オープン」、「全米オープン」がすでに男子ダブルスを3セットで行っており、グランドスラムの中で「ウィンブルドン」だけが5セット制を採用し続けていた。この度、「ウィンブルドン」を運営するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)が3セットへの変更を発表し、「多岐にわたる協議」の末に至った結論だと説明。この変更によって試合日程がより確実に消化されるようになり、男子ダブルスに出場するペアが増えるきっかけになるだろうと述べている。
シングルスとダブルスの両方に出場する選手が珍しくない中、「ウィンブルドン」の男子ダブルスがいまだに5セットであることはたびたび非難されてきた。昨年の「全豪オープン」でタナシ・コキナキス(オーストラリア)とともに男子ダブルスで優勝したニック・キリオス(オーストラリア)は、「ウィンブルドン」でも男子ダブルスにエントリーしていたが、シングルスの試合を優先するため、ダブルスの初戦が始まる前に辞退を表明した。キリオスは当時、「こんなにバカバカしいことはない。どうして5セットなんだ。5セットのダブルスなんて誰もプレーしたくないし、見たくもないだろう」とコメントしている。
昨年の「ウィンブルドン」の男子ダブルス決勝は、第14シードとして出場していたマシュー・エブデンとマックス・パーセルのオーストラリア組が、ディフェンディングチャンピオンで第2シードのニコラ・メクティッチとマテ・パビッチのクロアチア組を7-6(5)、6-7(3)、4-6、6-4、7-6[10-2]で破って優勝するのに4時間11分かかっている。2019年の決勝はそれよりさらに長く、4時間46分を要した。
元世界ランキング5位で英スポーツメディア EUROSPORTのコメンテーターを務めるジョー・デュリー(イギリス)は今回の変更を歓迎している。「“ウィンブルドン”の男子ダブルスが5セットから3セットになると聞いてとても嬉しいわ。より多くのシングルスプレーヤーが参加するようになるかもしれないわね」
一方で、1990年代から2000年代前半にかけてダブルスの名手として活躍し、グランドスラムの男子ダブルスで16回優勝、マーク・ウッドフォード(オーストラリア)とのペアが“ウッディーズ”の愛称で親しまれたトッド・ウッドブリッジ(オーストラリア)は、落胆を隠せずにいる。「伝統を重んじる私としては残念だ。ウッディーズとして勝利した試合や、その後にヨナス・ビヨルクマン(スウェーデン)と組んで勝った試合がもし3セットだったら、おそらくこれほど多くのタイトルは獲れなかっただろう。5セットは実力のあるペアにとって有利なんだ」
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2022年「ウィンブルドン」優勝トロフィーを掲げるエブデンとパーセル(左より)
(Photo by Julian Finney/Getty Images)
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