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「全豪オープン」男子シングルス決勝戦ベスト5!

2017年「全豪オープン」優勝を決めたフェデラー

シーズン最初のグランドスラムとなる「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月16日~1月29日/ハードコート)。今年の男子シングルス決勝は、第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)対第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)に決まった。決勝で勝った方がグランドスラムタイトルに加え、世界1位の座も手にすることになる重要な一戦だ。今回は昔を振り返り、「全豪オープン」男子シングルスで見られた最も素晴らしい試合を5つ紹介する。テニス関連ニュースサイトTennis Headが伝えている。

1:1987年 ステファン・エドバーグ(スウェーデン)対パット・キャッシュ(オーストラリア) 6-3、6-4、3-6、5-7、6-3
「全豪オープン」は1905年に始まって以降ずっとグラスコートで開催されてきたが、1987年大会がグラスコートでの最後の大会となった。

第4シードのエドバーグは、1セットしか落とさず決勝まで進んだ一方、第11シードとして参戦した地元出身のキャッシュはエドバーグよりやや苦戦を強いられた。4試合を4セットで勝利し、4回戦で対戦したポール・アナコーン(アメリカ)には最終セットまで粘られた。

マッツ・ビランデル(スウェーデン)とのスウェーデン人対決を制し1985年大会で優勝したエドバーグは、前回優勝者として決勝へと勝ち進んだ(1986年は大会が行われなかった)。キャッシュは初のグランドスラム決勝の舞台に立ち、対戦成績1勝1敗で並ぶエドバーグと顔を合わせた。

1976年以来となるオーストラリア人優勝を望む地元観客の望みは、エドバーグが2-0でリードした時点で絶たれたかに見えた。だが諦めないキャッシュが続く2セットを連取、勝負は最終セットに持ち越された。それでも最後はエドバーグがキャッシュを上回り、自身2度目のグランドスラム優勝を手にした。

2:1988年 マッツ・ビランデル(スウェーデン)対キャッシュ 6-3、6-7(3)、3-6、6-1、8-6
1988大会は「全豪オープン」がフリンダーズ・パークに移り、ハードコートで開催された最初の大会だった。ベスト4には第1シードから第4シードが残り決勝への切符をかけて戦うことになった。第4シードのキャッシュが第1シードのイワン・レンドル(チェコ)を、第3シードのビランデルが第2シードのエドバーグをいずれもフルセットで破り、決勝へと駒を進めた。

決勝では先に上手く流れを掴んだビランデルが第1セットを奪ったが、キャッシュが続く2セットを連取し2-1とリード、あと1セットで優勝まで近づいた。だがそこからビランデルが反撃に出る。第4セットを6-1と圧倒的スコアでものにしたビランデルが最終セットも制し、3度目の「全豪オープン」タイトルを手にした。

ビランデルもキャッシュも再び「全豪オープン」の決勝に辿り着くことはなかったが、ビランデルは同じ年の「全仏オープン」と「全米オープン」で優勝を飾った。

3:2009年 ラファエル・ナダル(スペイン)対ロジャー・フェデラー(スイス) 7-5、3-6、7-6(3)、3-6、6-2
ビランデルとキャッシュのフルセットマッチ以降、21年間決勝戦が最終セットまでもつれることはなかった。だが2009年大会の決勝はワクワクするような戦いを待ち望んだ観客たちを満足させるものだった。

準決勝でナダルはフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)と素晴らしい戦いを繰り広げ、5時間以上に及ぶ試合を6-7(4)、6-4、7-6(2)、6-7(1)、6-4で制した。一方フェデラーはアンディ・ロディック(アメリカ)にストレート勝ちして体力を温存することができた。ファンの多くはフェデラーが有利に試合を進めるだろうと考えていた。

だが決勝戦序盤に主導権を握ったのは、7-5で第1セットを奪ったナダルだった。だがフェデラーも負けじとセットを奪い返し、スコアをドローに。第3セットはタイブレークを制したナダルが奪ったが、第4セットは再びフェデラーが奪い返した。

最終セットに入りナダルがギアを上げ6-2でセットを取り、約4時間半に及んだ試合に決着がついた。ナダルは、準決勝と決勝合わせて10時間近くコートで戦ったことになる。ナダルは「全豪オープン」で初、グランドスラムで6回目の優勝を飾った。

4:2012年 ジョコビッチ対ナダル 5-7、6-4、6-2、6-7(5)、7-5
2012年の決勝戦もまた素晴らしい試合だった。ジョコビッチは2011年の「ウィンブルドン」と「全米オープン」の決勝でナダルに勝利し、グランドスラム2大会連続優勝を飾って2011年を終えていた。そしてジョコビッチはナダルに代わり新しい世界王者となった。

ジョコビッチは自身5回目のグランドスラム優勝、3回目の「全豪オープン」優勝を狙っていた。ナダルもまた2回目の優勝を狙いメルボルンの地にやってきた。準決勝までどちらも1セットを落としたのみで勝ち進み、第1シードのジョコビッチは第4シードのアンディ・マレー(イギリス)と、第2シードのナダルは第3シードのフェデラーと対戦することになった。

ジョコビッチはマレーにフルセットマッチの末に勝利し、ナダルはフェデラーを4セットで下した。そして、その後に行われたジョコビッチとナダルとの優勝をかけた戦いは、グランドスラム史上最も試合時間の長い決勝戦として記録に残ることになった。

2人のファイナリストはあらゆる手段を尽くして5時間53分を戦い抜いた。粘るナダルを振り切り勝利したジョコビッチは3度目の全豪王者となった。これまでジョコビッチは「全豪オープン」を9度制しているが、現役のジョコビッチがこの数をさらに伸ばしていく可能性は十分にある。

5:2017年 フェデラー対ナダル 6-4、3-6、6-1、3-6、6-3
歴史的対決となった2009年の決勝から8年、ナダルとフェデラーは再び同じ舞台で顔を合わせることとなった。フェデラーとナダルはほぼ6年間グランドスラム決勝での対決がなく、前回対戦したのは2011年の「全仏オープン」でのことだった。2000年代以降2人の対決は見慣れたものとなっていたが、共に決勝に進むことは少なくなっていた。

これまで第4シード以内に入っていることが多かった2人だが、この大会ではフェデラーは第17シード、ナダルは第9シードだった。2人は共にベスト4までの試合で3セット失ったのみで勝ち上がり、準決勝ではフェデラーは第4シードのスタン・ワウリンカ(スイス)と、ナダルは第15シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦した。

両者とも最終セットまでもつれ込む準決勝戦を制し、決勝の舞台へとたどり着いた。決勝はお互いにセットを奪い合う展開となったが、最後はフェデラーがナダルに12勝目を挙げ、18回目のグランドスラム優勝を果たした。

フェデラーはこの決勝戦を「僕の人生でトップ3に入る瞬間だよ。それほど特別なのはまったく予想していなかったから、そして決勝の相手がラファだったから。あらゆる要素が詰まっていた。最後の瞬間にその大きな意味を感じて、今も感じているよ。とても、とても特別だった」と振り返っている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2017年「全豪オープン」優勝を決めたフェデラー
(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)

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