「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月16日~1月29日/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、スタッフからドリンクのボトルとともにメモらしきものを受け取っていた元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、そのボトルについて言及した。仏テニスメディア Tennis Majorsなど複数のメディアが報じている。
第4シードとして出場しているジョコビッチは、19日に行われた予選勝者の世界ランキング191位エンゾ・クアコー(フランス)との2回戦で、コートチェンジの間にスーパーバイザーを介してチーム席にいたスタッフからドリンクのボトルを受け取っている。観客の一人がTikTokに投稿した動画からは、白い金属製のボトルにメモらしきものが貼ってあり、それをジョコビッチがベンチでしばらく眺めている様子がはっきりと見て取れる。もしもこのメモに何らかの指示やアドバイスが書かれていたとすれば、コーチングの規定に反するのではないかと物議を醸した。昨年後半から男子選手にも許されるようになった試合中のコーチングだが、選手がチーム席と同じ側のコートでプレーしている時は口頭による簡潔なやり取り、反対側にいる場合はサイン(ハンドシグナル)によるコミュニケーションに限定される。
2回戦から6日後の25日、ジョコビッチは準々決勝で第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)に6-1、6-2、6-4の快勝を収めると、試合後の記者会見で例のボトルについて触れた。「この大会で僕が使っているボトルは全てWaterdrop社のものなんだ。ほかの企業が大会のスポンサーになっているにもかかわらず、これを使うことを許可してくれた“全豪オープン”には感謝している。だから、Waterdrop社のロゴは見えないようにしている。1.5リットルも入る大きなボトルだから持ち運ぶのが大変で、スタッフに代わりに持っておいてもらっているんだ」
オーストリアのWaterdrop社は2016年に飲料市場に進出したスタートアップ企業で、ガラス製やステンレス製のボトルと合わせて、水に溶かすことでスポーツドリンクやフレーバーウォーターが作れるキューブ状の商品を販売している。砂糖やカフェインなどを摂取せずに水分を積極的に摂ることと、プラスチックゴミの削減を両立させるという企業理念に賛同したジョコビッチが、Waterdrop社に数億円規模の出資を行い、アンバサダーに就任したと今月半ばに報じられていた。記者会見でもジョコビッチは同社との関係はスポンサー契約ではなく、「長期的なパートナーシップ」だと強調していた。
ジョコビッチは説明を試みたようだが、肝心なメモの謎は残されたままとなった。さらに、ルブレフとの試合序盤にもチーム席のスタッフから再びボトルを受け取っており、これには折り畳んだ紙のようなものがテーピング用の細いテープでボトルの側面に固定されていた。そして、今回渡されたのは2回戦の時のような白い金属性のボトルではなく、一般に販売されている500ミリリットル程度の水のペットボトルだったため、Waterdrop社についてジョコビッチが語った内容は何の説明にもなっていない。
これまでにも試合中のドリンクをめぐって不審な動きを見せてきたジョコビッチと彼のスタッフは、今回も同様の形で注目を浴びている。世界35位のトミー・ポール(アメリカ)と対戦する準決勝でも、観客はジョコビッチの一挙一動に目を光らせていることだろう。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」でのジョコビッチ
(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)
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「全豪オープンテニス」1/16(月)~1/29(日) ※大会第1日は無料放送
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