佳境を迎えるシーズン最初のグランドスラム、「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月16日~1月29日/ハードコート)。大会12日目は、男子シングルスでは決勝へ進む2人が決定する。また、混合ダブルスでは栄冠をかけた戦いが行われる。大会公式ウェブサイトなどが伝えている。
日本時間午後0時半以降にセンターコートのロッド・レーバー・アリーナで開始予定のデイセッション第2試合では、第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)と第18シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)が対戦。「全豪オープン」で4度目のベスト4進出となるチチパスは、ここまで5試合中4試合でストレート勝ち。4回戦では第15シードのヤニク・シナー(イタリア)との6-4、6-4、3-6、4-6、6-3という接戦を制し、準々決勝では世界ランキング71位のイリ・ラフェチュカ(チェコ)を6-3、7-6(2)、6-4で下した。準決勝で戦うハチャノフとは過去5度対戦し5連勝中と優勢だ。次の試合に向けてチチパスは、「楽しみにしている試合だよ。もちろんこれまでのプレーには満足してる。でももっと良くなりたいと思ってる。ここオーストラリアで魔法のような経験を作りたいんだ」と述べている。
対するハチャノフは、3回戦で第16シードのフランシス・ティアフォー(アメリカ)を4セットで、4回戦で第31シードの西岡良仁(日本/ミキハウス)をストレートで撃破。準々決勝では第29シードのセバスチャン・コルダ(アメリカ)に7-6(5)、6-3、3-0とリードしていたところで、コルダが右手首の負傷によりリタイアとなった。昨年の「全米オープン」に続いてグランドスラム2度目のベスト4へたどり着いたハチャノフは、「調子は良い。自分のレベルと戦い方に満足しているんだ。オーストラリアでの初めての準決勝を楽しみにしてるよ。僕は常に自分を信じてきた。素晴らしい結果を得ると自分の能力が分かって、ますます信じられるようになる。“全米オープン”の後、この信念と自信はより強くなったと思う。人として、スポーツマンとしてこれからも成長していきたい」とコメント。
日本時間午後5時半以降にロッド・レーバー・アリーナで開始予定のナイトセッション第1試合では、第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と世界35位のトミー・ポール(アメリカ)が初対戦。10度目の「全豪オープン」優勝を狙うジョコビッチは3回戦からシード選手を立て続けにストレートで下しており、準々決勝では第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)に6-1、6-2、6-4の快勝を収めた。次なる対戦相手のポールについては、「コートで彼と対戦したことはないけど、数年前から知っている。今大会で彼のプレーをよく見たよ。おそらくキャリアで最も良いテニスをしていると思う。とても爆発的でダイナミック。速くてしっかりとしたバックハンドを打つんだ。そしてフォアハンドでもポイントが取れて、サーブのモーションも良い。とても完成度の高い選手だ」と褒めたたえる。
これまでグランドスラムでは4回戦進出が最高成績だったポールだが、今大会では4回戦で第24シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)を、準々決勝では世界89位のベン・シェルトン(アメリカ)との同国対決を、いずれも4セットで制して新境地へとたどり着いた。ポールは「全豪オープン」の絶対王者と目されているジョコビッチとの試合ついて、「明らかに彼はここオーストラリアで快適そうだ。大変な試合になるだろうね。でも僕は今最高のプレーをしているから、良いタイミングだと思う」と意気込む。
混合ダブルスはついに決勝戦を迎え、ダブルス元世界3位の42歳ロハン・ボパンナ(インド)と元ダブルス世界女王の36歳サーニャ・ミルザ(インド)というベテラン組と、世界29位の27歳ラファエル・マトス(ブラジル)と世界34位の25歳ルイーザ・ステファニー(ブラジル)のペアが対戦する。ボパンナは2017年の「全仏オープン」、ミルザは2009年「全豪オープン」、2012年「全仏オープン」、2014年「全米オープン」の混合ダブルスで優勝した経験を持つ。また、今季で引退するミルザにとってはこれがグランドスラム最後の舞台に。一方、マトスとステファニーは混合ダブルスの決勝を戦うのは今回が初となる。ベテランが強さを見せつけるのか、はたまた新たなグランドスラム覇者が誕生するのか、注目の一戦だ。
女子ダブルスでは、準決勝2試合が行われる。日本時間午前10時にマーガレット・コート・アリーナで開始予定の第1試合では、ディフェンディングチャンピオンで第1シードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)/カテリーナ・シニアコバ(チェコ)ペアとダブルス世界38位のマルタ・コスチュク(ウクライナ)と同89位のエレナ ガブリエラ・ルース(ルーマニア)ペアが激突。続く第2試合では、第10シードの青山修子(日本/近藤乳業)/柴原瑛菜(日本/橋本総業ホールディングス)ペアが第2シードのココ・ガウフ(アメリカ)/ジェシカ・ペグラ(アメリカ)ペアと争う。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」でのジョコビッチ
(Photo by Mark Kolbe/Getty Images)
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