シーズン最初のグランドスラムとなる「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月16日~1月29日/ハードコート)11日目の現地26日、女子シングルスの準決勝が行われ、決勝カードが決定した。また、男子ダブルスのファイナリストも決まっている。大会公式ウェブサイトなどが伝えた。
勝ち残った選手たちの中で唯一「全豪オープン」優勝経験のある第24シードのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)だったが、10年ぶり3度目の決勝進出は叶わず。2012・2013年にここメルボルンで連覇した彼女を阻んだのは、2022年「ウィンブルドン」女王である第22シードのエレナ・ルバキナ(カザフスタン)。昨季はツアーで2番目に多い370本ものサービスエースを決め、ファーストサーブのポイント取得率やサービスゲーム取得率でも上位となったルバキナは、自慢のサーブをさらにテクニック面などで磨いているという。この日も10本のサービスエースを決めるなどして試合を優位に進め、7-6(4)、6-3でアザレンカを退けた。第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)らを破ってきた彼女はここまでの6試合で1セットしか落としていない。グランドスラムでの決勝進出は昨年の「ウィンブルドン」以来2回目となる。
今大会ではボールがあまり弾まない、すぐに毛羽立つなどといった声が選手たちからあがっており、スピンよりもフラットなショットが有効とも言われている。そのため芝の「ウィンブルドン」よりも強烈なサーブやフォアハンドを生かしにくいはずだが、ルバキナはうまく対処していると語る。「簡単にはポイントを取れないから、調節する必要があるのはわかっていた。正しくできたと思う。要は、大事な局面でより集中するということなの。スコアに関係なくポイントの一つひとつを大事にして、全部うまくいったわ」
そんなルバキナと当たるのは、こちらもサーブが強烈な第5シードのアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)。何人ものシード選手を破ってきた世界ランキング45位のマグダ・リネッテ(ポーランド)から、ルバキナと同じく第1セットをタイブレークの末に取ると、7-6(1)、6-2で下し、6試合続けてのストレート勝利を飾った。なお、サバレンカは前哨戦の「WTA500 アデレード1」で優勝したため、今季ここまで10連勝、しかも20連続でセットを取っている。以前に比べてコートで冷静さを保てるようになったサバレンカは、「今でもうまくいったら“カモン!”などと叫ぶけど、失敗した時には“こういうこともある”と考えて次のポイントのことだけ考えるようにしているの」と説明する。
グランドスラム通算4回目の準決勝でついに勝利し、初の決勝進出。オープン化以降、グランドスラムの決勝に初めてたどり着くまでに準決勝で3敗以上喫していた選手は、サバレンカで5人目。過去の4人、ガブリエラ・サバティーニ(アルゼンチン)、Zina Garrison(アメリカ)、リンゼイ・ダベンポート(アメリカ)、ジェニファー・カプリアティ(アメリカ)のうち、ようやく立てた初めてのファイナルで優勝したのはダベンポートとカプリアティの二人(Garrisonは結局優勝経験なし)だが、サバレンカは彼女たちに続くことができるだろうか。
一方男子ダブルスでは、ワイルドカード(主催者推薦枠)として出場する地元ペア、リンキー・ヒジカタ(オーストラリア)/ジェイソン・クブラー(オーストラリア)ペアが決勝進出。2年続けてのベスト4進出を果たした第8シードのマルセル・グラノイェルス(スペイン)/ホレイショ・ゼバロス(アルゼンチン)ペアが試合序盤に握ったブレークポイントをしのぐと、以降は相手にチャンスを与えることなく、6-4、6-2のストレート勝ちを収めた。
29歳で同163位のクブラーと21歳でダブルス世界277位のヒジカタがペアを組んだのは今回が初めて。グランドスラムでのダブルス経験は、クブラーが3回目の出場で2022年「全豪オープン」の3回戦進出が最高成績、ヒジカタはこれが2回目の出場で昨年の「全豪オープン」では2回戦で姿を消していた。元ジュニア世界1位だが何度も怪我に苦しんできたクブラーは、第1シードのヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/ニール・スクプスキー(イギリス)ペアをはじめとした強敵を破ってきたことについて「僕たちは自分にできる最善のことをしようとしているだけだよ。でも、もし僕たちを見た誰かがテニスをやってみたいと思ってくれたら素晴らしいね」と話している。
彼らと決勝で当たるのは、ジェレミー・シャルディ(フランス)/ファブリス・マルタン(フランス)ペアとのノーシード対決を6-3、5-7、6-2で制したユーゴ・ニス(モナコ)/ヤン・ジエリンスキ(ポーランド)ペア。2022年「全米オープン」で準々決勝に進んでいたが、それより先のステージで戦うのは今回が初めてだ。どちらが勝ってもグランドスラム初優勝となる。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」でのサバレンカ
(Photo by Darrian Traynor/Getty Images)
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「全豪オープンテニス」1/16(月)~1/29(日) ※大会第1日は無料放送
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