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デビスカップ存続の危機?ジェラール・ピケ率いるKosmosとの契約が早期終了に

2019年「デビスカップ」予選ラウンドでの日本代表

ITF(国際テニス連盟)が、2018年から「デビスカップ」の運営を任せていた投資グループ Kosmosとの契約を早期に打ち切ったことがわかった。英BBCなど複数のメディアが報じている。

2022年11月をもって現役生活に幕を下ろした元スペイン代表サッカー選手のジェラール・ピケらが設立したKosmosは、「デビスカップ」の従来のホーム&アウェイ方式を廃止して、サッカーワールドカップのようにグループステージを勝ち抜いた国が決勝ラウンドで一堂に会する形式に変更するなど、120年以上の歴史を誇る大会で大規模な改革を慣行。前回大会のファイナルズが開催されていた昨年11月、CEOのエンリク・ロハス氏は「私たちの野望はこの大会をグランドスラムのレベルに引き上げることだ」と意気込みを語っていた。

しかし、それから2ヶ月と経たない今月12日にITFがKosmosとの契約を打ち切ったことを発表。今年の大会はITFが運営するとし、声明の中でこう述べている。「ITFは財政的な危機に対しては十分に備えており、大会の管理者として2023年のクオリファイアーズとファイナルズを予定通り運営する。今年の11月にスペインのマラガで8チームにより優勝が争われることも変わらない」

Kosmosは当初、「デビスカップ」の運営に25年間で30億ドル(約3900億円)を投資することを約束していた。ところが、新しい大会フォーマットが明らかになるや否や選手や関係者からは不満の声があがり、さらに2020年の大会は新型コロナウイルスのパンデミックにより中止。2022年大会の開催地をめぐっては入札プロセスから不当に除外されたとしてFFT(フランステニス連盟)が大会運営側と大きく揉めたことや、決勝ラウンドを中東で開催しようとしていたことが話題となった。また、一部トップ選手の不在や集客率の悪さも度々指摘されてきた。

BBCの記者は、Kosmosが30億ドルの契約が財政的に持続不可能であることにようやく気づいて再交渉を試みたところ、ITFと折り合いがつかなかったと見ている。予定していたようなメディアとの有利な契約は実現せず、新型コロナの影響や景気後退によってKosmosは膨大な損失を抱えていると思われる。

ITFとKosmosは当初結んだ25年の契約期間のうち5年目のタイミングで袂を分かつことになるようで、一部のメディアは「デビスカップ」の今後を心配する向きもあるが、ドイツテニス連盟副会長のDirk Hordotff氏は両者の契約終了を歓迎する姿勢を示している。「この馬鹿げたやり方を見直し、正す時が来た。“デビスカップ”の最大の特徴とも言えるホーム&アウェイの形式を復活させなければならない。ほかにも重要な問題を解決する必要がある。例えば、開催地を直前に決めるのではなく、少なくとも準備期間を一年確保できるようにすることや、ファイナルズを毎年開催しないこと、オリンピックがある年は大会自体を行わないことなどだ」

一方のKosmos はテニス界から撤退する様子はなく、今月頭には世界ランキング6位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)、元世界3位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)、元世界12位のボルナ・チョリッチ(クロアチア)とエージェント契約を結んだことを発表した。Kosmosは2021年にテニス選手として初めて元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア)と契約、そのほかには世界8位のダリア・カサキナ(ロシア)、2022年「全豪オープン」のジュニアでシングルス、ダブルスの2冠を達成したブルーノ・クズハラ(アメリカ)らも所属している。

※為替レートは2023年1月13日時点

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2019年「デビスカップ」予選ラウンドでの日本代表
(Photo by Shi Tang/Getty Images)

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