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2022年ATPツアーベストマッチ5選!

「ATP1000 マドリード」でのアルカラス(右)とジョコビッチ

今年も多くのドラマがコート上で生まれた。誰も予想しなかった番狂わせや、大逆転劇などファンの記憶に残る試合も多くあった。今回は、2022年にATP(男子プロテニス協会)ツアーで行われた試合の中で(グランドスラムを除く)最も素晴らしい試合を5つ紹介する。ATP公式ウェブサイトが伝えている。

第5位:「ATP1000 マイアミ」準々決勝 カルロス・アルカラス(スペイン)対ミオミル・キツマノビッチ(セルビア)
6-7(5)、6-3、7-6(5) 勝者:アルカラス

今年傑出したシーズンを送った19歳のアルカラスは、コートを縦横無尽に駆け回るその素晴らしいカバー力でATPツアーを盛り上げた。アルカラスの最高のパフォーマンスが見られた試合の1つが、自身初のマスターズ大会優勝を飾った「ATP1000 マイアミ」での準々決勝、キツマノビッチとの一戦だった。

アルカラスは第3セットで4-5、15-30と、さらに第3セットのタイブレークで3-5と、あと2ポイントで敗退のところまで追い詰められる展開となった。しかしアルカラスは大事な局面でも大胆さを失わず、持ち前のパワーと意表を突くドロップショットを組み合わせて応戦した。アルカラスはこの試合でウィナーを43本記録。対して対戦相手のキツマノビッチはウィナー19本だった。

「ボールを強く打って、対戦相手をベースラインから離れさせたいんだ」とアルカラスは自身の戦略について語ったことがある。「ドロップショットが良いんだよね。自信をもってる。難しい局面では、自分の持っている最高のショットを打たなきゃいけないんだ」

第3セットのタイブレークではアルカラスの攻撃的な戦略が功を奏し、試合最後に4ポイントを連取。最後はパッシングショットで試合を決めた。

第4位:「ATP1000 パリ」準決勝 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)対ステファノス・チチパス(ギリシャ)
6-2、3-6、7-6(4) 勝者:ジョコビッチ

10月に「ATP250 テルアビブ」、「ATP500 アスタナ」で優勝し12試合連続勝利中だったジョコビッチは、「ATP1000 パリ」の準決勝でチチパスと顔を合わせた。結果はジョコビッチが13試合連続勝利と記録を伸ばし決勝への切符を手にすることになったが、勝利は簡単に手に入ったわけではなかった。

それまでのジョコビッチとチチパスの対戦成績は8勝2敗でジョコビッチが大きくリードしており、直近のアスタナ大会決勝でもジョコビッチがストレート勝ちを収めていた。この日もジョコビッチは素晴らしいパフォーマンスを発揮し、36本のウィナーと11本のエースを記録。ファーストサーブ後のポイント取得率は84%と好調で、第1セットと第3セットではチチパスにブレークチャンスを与えなかった。最終セットのタイブレークでミニブレークを許したジョコビッチだったが、試合最後の4ポイントを連続でモノにし、2時間22分の熱戦の末に勝利を掴んだ。

「世界トップクラスの選手とのこういう試合に勝てるととても気持ちがいいんだ」とジョコビッチは勝利の喜びを語った。だが、ジョコビッチに幸せな結末は待っていなかった。続く決勝戦で、急成長中の19歳オルガ・ルーネ(デンマーク)に逆転で敗れ39度目のマスターズ制覇とはならなかった。

第3位:「ATP500 ハンブルク」決勝 ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)対アルカラス
6-4、6-7(6)、6-4 勝者:ムゼッティ

若手対決となった「ATP500 ハンブルク」の決勝で20歳のムゼッティは見事なプレーを見せた。今年破竹の勢いを見せていたアルカラスを退け、ムゼッティは自身初のツアー優勝を飾った。「ATP500 ハンブルク」に出場する前のムゼッティは4大会連続で初戦敗退を喫しており、ハンブルク大会初戦でもギリギリの戦いを強いられていた。この接戦を制したムゼッティは、その後勢いづき決勝までストレートで勝ち上がった。

アルカラスとの決勝戦は互いに譲らず拮抗した展開となった。第1セットを先取したムゼッティは、続く第2セットを5-4でリードし迎えたサービスゲームで2度、さらにその後のタイブレークで3度マッチポイントを逃すなど、アルカラスの粘り強さに苦しめられた。

だが、ムゼッティは好機を逸してもくじけることなく強気なプレーを続けた。アグレッシブな攻撃をベースラインから繰り出し、チャンスがあればネットへ走り、スピンや球速の変化でアルカラスのリズムを崩した。

アルカラスのプレーは最高の状態とは言い難く、彼らしくないミスも目立った。しかし、その一因はムゼッティの攻撃で迷いが生じ、ラリーのリズムをうまくつかめなかったことにある。やがて、アルカラスのバックハンドがアウトになり、ムゼッティの勝利が決まった。2時間半越えの試合に耐えたムゼッティはクレーコートに横たわり喜びを噛み締めた。

「もちろん僕はイライラしていたよ。でも、自分の反応を対戦相手に見せないように気をつけていたんだ。うまくいかなかったマッチポイントや他のポイントすべてを許そうとしたんだ」とムゼッティは振り返る。「それが一番だと思う。こんなローラーコースターみたいな試合に勝てると思っていなかったから、この場所でチャンピオンになれてとても嬉しいよ」

第2位:「ATP1000 マドリード」3回戦 ラファエル・ナダル(スペイン)対ダビド・ゴファン(ベルギー)
6-3、5-7、7-6(9) 勝者:ナダル

2009年に「ATP1000 マドリード」がハードコートからクレーコートに移行してから、ナダルはこれまで同大会のトロフィーを4度獲得している。しかし、ゴファンとの3回戦はこれまでで最も厳しい戦いとなった。

第1セットを制したナダルは、第2セットに入りさらに精度を上げたグラウンドストロークでゴファンを追い詰め、5-3までリードを広げた。だがその後ナダルの調子が少し落ちた隙を突き、ゴファンが素晴らしいパフォーマンスを見せ始めた。2度マッチポイントのピンチをしのいだゴファンは、4ゲームを立て続けに制し7-5でセットを取り返した。

最終セット開始直後に、ナダルが2度ブレークチャンスを得たもののゴファンがそれを阻止。その後はお互いにチャンスが作れずタイブレークにもつれ込んだ。4回あったマッチポイントを逃したナダルは、逆にゴファンにマッチポイントを握られる展開になるも、ドロップショットなどテクニックを駆使し危機をしのいだ。やがてナダルが僅差で勝利を掴み、3時間越えの試合に決着をつけた。

「コート上での3時間は、僕の身体的パフォーマンスを向上させてくれる助けになる。マッチポイントを防ぎ得た重要な勝利だ。僕に自信を与えてくれる」とナダルは試合後に振り返った。ナダルはその後、準々決勝でアルカラスに敗れた。

第1位:「ATP1000 マドリード」準決勝 アルカラス対ジョコビッチ
6-7(5)、7-5、7-6(5) 勝者:アルカラス

「ATP1000 マドリード」準々決勝でナダルを退けたアルカラスは、続く準決勝でジョコビッチに勝利し、男子テニス界のレジェンド2人を立て続けに破るという快挙を成し遂げた。

ジョコビッチとの初対決となったこの試合、アルカラスは51本のウィナーを記録、対するジョコビッチは29本だった。アルカラスはアグレッシブなスタイルにドロップショットを効果的に使用し、ジョコビッチを苦しめた。アルカラスはジョコビッチに与えた8つのブレークチャンスのうち7つを阻止、一方のジョコビッチも一方のジョコビッチも10のブレークチャンスのうち8つを阻止した。そしてどちらも重要な場面で強力なサーブを決めて危機を脱する勝負強さを見せた。

ナダルとの準々決勝と同じく第1セット第1ゲームからいきなりのブレークに成功したアルカラスだったが、ジョコビッチも第8ゲームで相手のミスからブレークバックして4-4に。結局このセットはタイブレークに突入し、アルカラスがバックハンドをネットにかけるといったミスで2度のミニブレークを許し、ジョコビッチが6-2でセットポイントを迎える。そこからアルカラスがバックハンドのウィナー、サービスエース、ドロップショットで6-5と食い下がるも、最後はラリーからアルカラスがネットにかけてしまい、ジョコビッチが第1セットを取って雄叫びをあげた。

それでもアルカラスは、第2セットに入ってもジョコビッチに怖気づくことなく果敢にプレーした。ドロップショットをより効果的に使い、セットポイントではジョコビッチを前に誘い出した直後に完璧なウィナーを決めた。最終セットもタイブレークに突入したが、アルカラスが終始リードを保ち3時間半以上にわたった熱戦を制した。

敗れたジョコビッチもアルカラスを称賛。「彼は緊張にうまく対処したね。あの年齢とは思えないような、非常に成熟した勇敢なプレーを見せていた。勝利に値するよ」と称えた。

その後、ツアーで勝利を重ね続けたアルカラスは「全米オープン」でグランドスラム初優勝を果たすとともに、史上最年少で世界王者になることを確定させた。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「ATP1000 マドリード」でのアルカラス(右)とジョコビッチ
(Photo by Atilano Garcia/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

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