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2022年ATPツアーでの最大の番狂わせ5選!

「ATP1000 パリ」で優勝トロフィーにキスをするルーネ

格下の選手がトップ選手を下し、番狂わせを演じる。実力が拮抗するプロツアーにおいてしばしば目にする光景だが、これがテニスを非常に面白くしている要因の1つだ。今回は、2022年に行われた大会で大きな番狂わせを演じた選手5人を紹介する。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが伝えている。

第5位:ティム・ファン ライトホフェン(オランダ)「ATP250 セルトーヘンボス」決勝
ファン ライトホフェンが「ATP250 セルトーヘンボス」で見せた素晴らしい活躍が、今回のリストの第5位に。しかし、世界ランキング上では最も格差のある番狂わせだったかもしれない。

25歳のファン ライトホフェンは2回戦で第3シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)を、準決勝で第2シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を、そして決勝で第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を倒すという快挙を成し遂げた。世界205位だったファン ライトホフェンは、今シーズン優勝した選手の中で最もランキングの低いチャンピオンとなった。

ファン ライトホフェンは2回戦のフリッツ戦で1セット先取されながら逆転。準決勝のオジェ アリアシム戦では最終セットのタイブレークを制し決勝へ進出した。そして決勝で対戦した世界2位のメドベージェフを6-4、6-1で打ちのめした。

この大会までツアー本戦で勝利したことさえ無かったファン ライトホフェンは、自身のツアー大会初優勝に関して次のように語った。「新しい経験だから、まだ慣れない。夢のような一週間だった。でも変わらず謙虚で、いつものようにふるまい続け、大げさに騒ぐことがなかったチームのみんなに感謝したい。そして皆さんに感謝したい」

第4位:ベン・シェルトン(アメリカ)「ATP1000 シンシナティ」2回戦
大会当時、シェルトンは大学2年生を終えたばかりの19歳だった。自身初のATP1000大会に出場したシェルトンは、プロレベルの戦いに耐えうる実力があることを世界に示した。

ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したシェルトンは、2回戦で世界5位のキャスパー・ルード(ノルウェー)と対戦。ストレートで勝負を決め、試合時間約1時間で自身初のトップ10選手相手の勝利をものにした。

左打ちのシェルトンはこの試合、効果的なサーブとリターンに、見事な股抜きロブまで決めて見せた。「自信があるふりをしていれば本当にそうなると思うんだ、そうだろ?たとえ最初は居心地が悪くても、何も問題ないような顔をする努力をするんだ。そのうち自分が落ち着ける場所が見つかる」

シェルトンはその後グランドスラムデビューとなった「全米オープン」直前に正式にプロに転向。11月にはATPチャレンジャーツアーで3度の優勝を飾り、念願のトップ100入りを果たした。

第3位:ジャック・ドレイパー(イギリス)「ATP1000 モントリオール」2回戦
ドレイパーが初めてトップ10選手に勝利したその日、「ATP1000 モントリオール」では番狂わせのオンパレードだった。だがその中でも一番大きな印象を残したのがドレイパーだった。

20歳のドレイパーは当時世界5位のステファノス・チチパス(ギリシャ)を下し、世界中のテニスファンを驚かせた。ベースラインから試合をコントロールするドレイパーにチチパスは苛立ちをつのらせ、ドレイパーは9回訪れたブレークチャンスのうち3回をものにした。チチパスもコート後方から攻撃的に攻めていたが、両セットの後半で素晴らしい安定性を見せたドレイパーが一枚上手だった。第2セットのタイブレークで4-4と並んだ後、ドレイパーが3ポイント連続で勝ち取り7-5、7-6(4)で試合を制した。

「こういう夜、こういうステージのために僕は努力を続けてきたんだ」とセンターコートで77位も順位が上の相手に勝ち星を挙げたドレイパーは語った。

ドレイパーは「ATP1000 モントリオール」で準々決勝に進出。さらに「全米オープン」で3回戦進出を果たすなど活躍を続けた。そしてシーズン最終戦の「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」では、準決勝に進出。ドレイパーは年末ランキングを42位で締めくくった。

第2位:テイラー・フリッツ(アメリカ)「ATP1000 インディアンウェルズ」決勝
世界ランキングが大きく離れた選手同士の試合ではなかったが、フリッツがラファエル・ナダル(スペイン)に勝利したこの試合は注目に値するものだった。フリッツがこの試合に出場しなかった可能性があったことを考えるとなおさらだ。

アンドレイ・ルブレフ(ロシア)との準決勝で足首を痛めたフリッツは、ナダルとの決勝当日に激しい痛みを感じ、試合前に棄権することを検討していた。だがチームメンバーのアドバイスに逆らい、フリッツはセンターコートに踏み出すことに決めた。

試合が始まると、強烈なサーブとリターンで試合を支配したフリッツが一時4-0でリードするなどナダルを圧倒した。第2セットでナダルは試合のペースを掴み始めるが、フリッツが5回あったナダルのブレークチャンスを凌ぐなど粘り強さを見せる。結局そのままタイブレークに突入。フリッツがフォアハンドのウィナーを決めてミニブレークで2-0。しかしナダルもミニブレークに成功して追いつく。9ポイント目、ナダルがフリッツを翻弄して2度目のミニブレーク。しかしナダルは次のポイントでスマッシュをミスしてしまい5-5。ナダルは続くポイントでもショットが大きく外れ、フリッツが2度目のチャンピオンシップポイントを決めた。

「インディアンウェルズ優勝という子どもの頃の夢が叶うなんて思わなかった。試合が終わった後、これが現実なわけがないって心の中で言い続けていたよ」とフリッツは涙を堪えながら語った。また自身の怪我については「試合前にあれほどひどい痛みを味わったことは今までなかった」という。ナダルも万全の状態とは程遠く、肋骨にひびが入り上手く呼吸ができなかったとのちに明かした。その結果この決勝の後治療のため6週間ツアーから離脱することになった。

第1位:オルガ・ルーネ(デンマーク)「ATP1000 パリ」決勝
今シーズン、ルーネは9月末から3大会連続で決勝進出し、「ATP250 ストックホルム」で優勝を飾るなど、「ATP1000 パリ」を前に好成績を残していた。そして、パリでは5人のトップ10選手を相手に番狂わせを演じ、自身3度目にして最大のタイトルを手にすることになった。

初戦で元世界3位のスタン・ワウリンカ(スイス)と対戦したルーネは、相手のマッチポイントを3度も凌ぎ勝利した。その後は世界10位のフベルト・フルカチュ(ポーランド)、世界9位のルブレフ、世界王者のカルロス・アルカラス(スペイン)、そして世界8位のオジェ アリアシムの4人に1セットも落とさず勝利したルーネは、最後に同大会で6度の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ(セルビア)と決勝戦で対戦することになった。

ルーネは、元世界王者で前年優勝者のジョコビッチを相手に3-6、6-3、7-5で勝利。最後のサービスゲームはジョコビッチが粘り、何度もデュースに持ち込まれ苦しんだが、最終的にジョコビッチのエラーを誘い試合を制した。

「僕にとって最高の締めくくりだね。ノバクと戦えたことは特権だよ」と優勝したルーネは語った。そしてこの結果、ルーネはデンマーク男子選手として初めて世界のトップ10に名を連ねた。大きな飛躍を遂げたルーネは、来季について「目標は世界1位になること」と宣言している。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「ATP1000 パリ」で優勝トロフィーにキスをするルーネ
(Photo by Antonio Borga/Eurasia Sport Images/Getty Images)

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