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2022年ATPツアー最高の逆転勝利5選!「楽天ジャパンオープン」の試合も

「楽天ジャパンオープン」でのキツマノビッチ

テニス界の2022年シーズンを振り返り、グランドスラムを除く男子ツアーで今シーズンに見られた最高の逆転勝利5試合を、ATP(男子プロテニス協会)公式オンラインメディアが紹介している。

第5位:「ATP1000 インディアンウェルズ」2回戦 ラファエル・ナダル(スペイン)対セバスチャン・コルダ(アメリカ) 6-2、1-6、7-6(3)
3つのタイトルを獲得しながら連勝を続ける完璧なシーズン幕開けで、ナダルは「ATP1000 インディアンウェルズ」を迎えた。ナダルは「全豪オープン」決勝から続く連続セット獲得記録をセバスチャン・コルダとの試合で14に伸ばし、好調を保っていた。しかし、コルダが地元アメリカでのこの試合で主導権を奪い、第2セットでナダル相手に圧倒的なプレーを見せると、第3セットではゲームカウント5-2として勝利まであと2ポイントに迫った。ここからナダルは再び闘志を見せ、子どもの頃からナダルに憧れていたコルダが終盤に見せた緊張を利用しつつ、2ブレークダウンの劣勢を徐々に挽回。

ナダルはやすやすとブレークして3-5と差を詰め、そこからはナダルの代名詞とも言えるパッシング・ショットを2本決めてゲームカウントを5-5と五分に戻す。続くゲームでブレークポイントをしのぐと、タイブレークではコルダよりも安定したプレーを見せ、最後の5ポイントを連取した。

「今日は負けたと思った…オーストラリアでもとても似た感覚だったよ」とナダルは試合後の記者会見で語り、コルダからの勝利を「全豪オープン」決勝でのダニール・メドベージェフ(ロシア)からの奇跡的な逆転勝利になぞらえた。「でも、だからといって僕が努力を続けたり戦い続けたりするのをやめるということにはならない」。ナダルは、この大会でシーズン初頭の連勝記録を自身最高となる20に伸ばしたが、2022年のATPツアーでの最大の番狂わせの一つに数えられる決勝で、テイラー・フリッツ(アメリカ)に敗退した。

第4位:「楽天ジャパンオープン」2回戦 ミオミル・キツマノビッチ(セルビア)対ダニエル・エバンズ(イギリス) 6-3、3-6、7-6(4)
最終的に6本のマッチポイントをしのぐ中での4本目で、キツマノビッチは人生最高かもしれない素晴らしいショットを放ち、ダニエル・エバンズの勝利を阻んだ。ゲームカウント5-4で迎えたエバンズのサービスゲームで40-0の危機を逃れたことで勢いづいたキツマノビッチは守勢に追い込まれながらも、ポイントを一転させる最高の股抜きショットを放った。

さらに4度のデュースと2度のマッチポイントを経た後、キツマノビッチはブレークに成功し、最終セットでゲームカウント5-5の五分に戻した。自信にあふれたキツマノビッチは、6-5で迎えたリターンゲームでマッチポイントを握ったがこれを決められず、タイブレークで最後の4ポイントを連取して試合を締めくくった。「あれを実際にできたのは今回が初めてだった。完全に試合のことを度外視して、あの瞬間はただあのショットに賭けたんだ」

第8シードのエバンズはこのセットで1-4から4ゲームを連取し、サービスゲームで試合を決められる機会を手にした。しかしながら、2022年シーズン8度目のベスト8進出を果たしたのはキツマノビッチであった。キツマノビッチはその2週間後に「ATP250 ナポリ」で9度目の準々決勝進出を成し遂げ、世界ランキングはキャリア最高の28位に上昇した。

第3位:「ATP1000 パリ」2回戦 フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)対ミカエル・イーメル(スウェーデン) 6-7(6)、6-4、7-6(6)
オジェ アリアシムの13試合連続勝利の記録は、パリで見事なパフォーマンスを発揮したイーメルによって止められる寸前であった。接戦となった第1セットを手にすると、イーメルは第2セットを4-1とリードして2本のブレークポイントを握り、このマスターズ1000大会での勝ち上がりをほとんど決めたかのようであった。

しかしオジェ アリアシムの反撃が、試合をここでは終わらせなかった。良いサーブでゲームをキープすると、オジェ アリアシムは主導権を握って7ゲーム連取の猛攻を見せた。それでも、劇的な展開は始まったばかりであった。第3セットでイーメルは2度にわたって1ブレークダウンの劣勢を跳ね返し、タイブレークでは5-4として勝利まであと2ポイントに迫った。

非常に劇的な3時間半の試合の後に、オジェ アリアシムはブレークポイントの数から見るとより一層驚くべき、ありえない逆転勝利を祝っていた。イーメルは17回ブレークポイントを手にしながらそのうち3回しか決められず、オジェ アリアシムは5回のブレークポイントのうち4回を効率よく決めていたのだ。「1-4でのブレークポイントをしのいだ後、なんとか2度目の風を掴めたよ。自分のプレーがだんだん良くなって、動きもサーブもずっと良くなった。すごい試合だったね。3時間半、質の高いラリーが続いた。彼は僕にずっと全力を強いた。間違いなく、記憶に残る勝利だね」とオジェ アリアシムは試合後に語った。

第2位:「ATP250 ヒホン」準々決勝 アルトゥール・リンデルネック(フランス)対パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン) 4-6、6-3、7-6(16)
リンデルネックは「ATP250 ヒホン」で9度のマッチポイントをしのいでカレーニョ ブスタに勝利した後、コート上に崩れ落ちた。感情に圧倒されたリンデルネックは仰向けに寝転んだまましばらく動かず、その瞬間に身を浸していた。リンデルネックは、試合そのものよりも、その週に亡くなった祖母のことを考えていたという。「今は何かを言うのは難しい。試合はとんでもなかった。この勝利を、5日前に亡くなった祖母に贈りたい。僕は家族と一緒にフランスでそばにいることができなかった。だから今週は祖母のために祈っている。そしてこの勝利は彼女に捧げるよ」とリンデルネックは勝利の後に語った。

カレーニョ ブスタが手にした9度のうち最初のマッチポイントは、ゲームカウント5-4のリターンゲームでのものであった。リンデルネックはこれをしのぎ、続くゲームでは自身のブレークポイント2本をふいにした。カレーニョ ブスタはタイブレークの序盤でも3度のマッチポイントを握ったが、その後8-7の場面でリンデルネックが6回のうち最初のマッチポイントを手にした。3セットの試合でブレークが2回だけというように主にサービス側が支配したこの戦いでは、長引くタイブレークのプレッシャーにより、試合の筋書きが反転した。9-9以降の16ポイントのうち、13ポイントはリターン側のものとなった。これには、リンデルネックが攻撃的なサービスポイントで締めくくった9ポイント連取も含まれている。最終的に、リンデルネックはボレーでのウィナーで勝利を手にした。

「戦おうと努めた、でも難しかった。ただ祖母のことを考えて、何があってもやってみて、この試合で勝とうとした。幸運なことに、祖母のためにこの試合で勝つことができた。だから最高だ。ただ、どうやって勝ったのかはわからない。タイブレークはただただとんでもなかったよ」

第1位:「ATP1000 モンテカルロ」準々決勝 ステファノス・チチパス(ギリシャ)対ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン) 6-2、6-7(3)、6-4
劇的な準々決勝ばかりの金曜日は、その中でも最も波乱に満ちた、モンテカルロの光の下でチチパスがシュワルツマンに競り勝った試合によって締めくくられた。前年度覇者のチチパスが6-2、5-2とリードした時、彼はすんなりと準決勝に進むかに見えたが、そこからシュワルツマンの猛攻に出くわした。シュワルツマンは反撃してこのセットをタイブレークでものにし、第3セットでは4-0とチチパスを突き放した。しかし、この先にまたも急展開が待ち受けていた。チチパスが息を吹き返し、試合の最後の6ゲームを連取したのだ。第3シードのチチパスが自分のリズムを取り戻すと、ショットの幅と深さを改善してシュワルツマンにコート中を走り回らせ、主導権を奪い返した。最後の6ゲームではたくさんの見どころがあった。ゲームカウント4-4でブレークポイントをしのぐ必要があったこと、そしてシーズン最高のショットの候補に入る堂々たるドライブボレーによってもたらされた最初のマッチポイント2本だ。

「浮き沈みがたくさんある、すごく劇的な試合だったよ。この大会での鍵になる試合だったと思う」と11月にシーズンを振り返ったチチパスは語った。「試合に勝った後、そしてその翌日、準決勝を戦わないといけない時に、何というか、恐れ知らずになったような感覚だったのを覚えている。失うものなど本当に何もないという感覚だね。こんなに長い試合を戦った後で、試合中にどんどんショットの感覚が研ぎ澄まされたことで、その時はすごく調子が良かった。準決勝に出るにあたって、かなり自信を感じていたよ」

チチパスはその後、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)を破って「ATP1000 モンテカルロ」のタイトル防衛を果たした。「大会を連覇するというのは、おそらく選手にできる一番難しいことだろうね」とチチパスは付け加えている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「楽天ジャパンオープン」でのキツマノビッチ
(Photo by WOWOWテニスワールド)

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