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フェデラーに最後まで付き添ったコーチ、新たな就職先が決定

2018年「全豪オープン」優勝を祝うフェデラーとルビチッチ(左より)

ロジャー・フェデラー(スイス)が現役を引退するまで彼のコーチを6年務めたイバン・ルビチッチ(クロアチア)の新しい就職先が決まった。仏テニスメディア Tennis Majorsなど複数のメディアが報じている。

自身もプロ選手として世界ランキング3位にまで到達したことがあり、2004年の「アテネオリンピック」ではダブルスで銅メダルを獲得、2005年「デビスカップ」の優勝に貢献したルビチッチは、2016年からフェデラーのコーチを務めていた。この度、フェデラーの引退とともにコーチの職を失うことになったルビチッチが、およそ1年半後に開幕する2024年の「パリオリンピック」に向けてフランステニス連盟(FFT)が打ち立てた新プロジェクト「Ambition 2024」のディレクターに任命されたことがわかった。フェデラーの最後の大会となった9月の「レーバー・カップ」で、20年来の知り合いだというFFTのジル・モレトン会長から話を持ちかけられたという。

ルビチッチは、2002年「デビスカップ」準優勝メンバーでキャプテンの経験もある元世界17位のニコラ・エスクード、エスクードとともに「デビスカップ」決勝で戦った元世界12位のポール アンリ・マチュー、2019年「フェドカップ」(旧「ビリー・ジーン・キング・カップ」)優勝メンバーで元世界40位のポリーヌ・パルモンティエという3人の元フランス代表選手とともに、14歳以上の才能ある選手の育成に取り組む。モナコを拠点に、ルビチッチは改革を最も必要としている分野を洗い出すため、まずは3ヶ月間フランスのテニス界を視察する予定となっている。

ルビチッチはFFTのプレスリリースの中で「フランステニス連盟は世界で最も若者の可能性を伸ばすことに力を注いでいる連盟の一つであり、その一員になれることを大変嬉しく思っている。フランスは有望な才能をたくさん抱えている。この新しい挑戦で自分の経験を生かし、チャンピオンを育てる価値観を共有したい」と述べている。

また、ルビチッチはフランス L'Equipe紙とのインタビューでより詳しく意気込みについて語った。「ゲームへの取り組み方、メンタリティなど、自分のテニスへのアプローチの仕方を生かせる部分がたくさんあると思っている。若い選手たちに、自分たちは本当にやれるんだ、野心を抱いていいんだ、高い目標を掲げていいんだと気づかせてやりたい。フランスではここ10年から15年くらいまでの間にそういう感覚が失われてしまったのかもしれない」

「例えるなら、(スペインの強豪サッカークラブである)レアル・マドリードがしばらく優勝していないようなものだ。私がロジャーのコーチになった時にも似ているね。当時の彼は4年間グランドスラムのタイトルから遠ざかっていた。今はその頃と同じような感覚だ。フランスにはたくさんの可能性があり、多くの若者が良いテニスをしている」

ルビチッチのもと、フェデラーは2017年と2018年の「全豪オープン」で連覇、さらに2017年の「ウィンブルドン」で優勝と、3つのグランドスラムタイトルを手にしている。その時のような効果をルビチッチはあげることができるだろうか。

フランスのテニスの歴史は長く、これまでに男子シングルスで6人、女子シングルスで7人と、合わせて13人のグランドスラムチャンピオンを輩出している。しかしながら2000年以降に限ると、2000年の「全仏オープン」を制したメアリー・ピアス、2006年に「全豪オープン」と「ウィンブルドン」で優勝したアメリー・モレスモー、2013年「ウィンブルドン」の覇者であるマリオン・バルトリという3人の女子選手だけ。女子では今年29歳のカロリーヌ・ガルシアが「WTAファイナルズ」を制して世界4位でシーズンを終えたが、ほかにトップ100につけているのは世界36位で32歳のアリゼ・コルネだけだ。

男子選手に至っては、オープン化以降のチャンピオンは1983年の「全仏オープン」で地元優勝を飾ったヤニック・ノアのみ。ともにフランス人最多7回の優勝を誇るルネ・ラコステとアンリ・コシェを含むテニス界のレジェンドになぞらえて“四銃士”と呼ばれた4人のうち、世界5位のジョーウィルフリード・ツォンガと元世界6位のジル・シモンは今シーズンにそろって37歳で引退し、元世界6位で36歳のガエル・モンフィスは度重なる怪我に見舞われて世界52位でシーズン終了、元世界7位で36歳のリシャール・ガスケはここ1年半以上にわたってトップ50から遠ざかっており、今季の最高順位は64位だった。現在フランス人男子はトップ100に10人もの選手がつけているものの、トップは世界44位で27歳のアルトゥール・リンデルネックだ。

14歳の息子がコート・ダジュールの大会に出場しているルビチッチは、すでにフランステニス界の問題を感じていると言う。「フランスのジュニア男子の世界ランキングを見ると、どうしても納得がいかない。普通じゃないことが起きていて、何かがおかしい。原因がまったくわからないから、できるだけ早く、深く掘り下げて分析して、何らかのアイデアを練ることが私の仕事になるだろう」

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2018年「全豪オープン」優勝を祝うフェデラーとルビチッチ(左より)
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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