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同性愛者と公言したカサキナ、ロシアの「外国の代理人」リスト入り?

「WTA500 サンノゼ」でのカサキナ

世界ランキング8位のダリア・カサキナ(ロシア)が、同性愛者であると公言したことや母国のウクライナ侵攻を批判したことで、ロシアの政治家から圧力をかけられていることがわかった。伊ニュースサイト UBI Tennisなど複数のメディアが報じている。

25歳のカサキナは今年、「WTA1000 ローマ」と「全仏オープン」で準決勝進出を果たし、「WTA500 サンノゼ」と「WTA250 グランビー」でタイトルを獲得してシーズン最終戦「WTAファイナルズ」初出場を決めるなど、自己最高とも言えるシーズンを送った。同時に、ロシアのウクライナ侵攻を受けて「ウィンブルドン」がロシアと同盟国ベラルーシの選手たちを締め出すなど、政治色の濃いシーズンでもあった。

そんな中、今年7月にカサキナはYouTube動画の中で自分が同性愛者であることをカミングアウトし、さらに若いロシア人テニス選手は国籍を変更すべきだと発言。これに憤慨し、カサキナは「国家に対する罪」を犯していると主張していたロシアの下院にあたる国家院の代議士ロマン・テリュシコフ氏が、今度はカサキナを「外国の代理人」(ソ連時代から使われてきた、スパイに対する呼称)のリストに登録するよう法務省に訴えているという。

露メディア RB Sportとのインタビューの中でテリュシコフ氏は、「政治やイデオロギーについて他人に影響を与えるツールとして自分の名声を利用するということは、味方から優遇されるだけでなく、国から責任を問われるということだ」とカサキナについて述べ、さらに彼女や世界20位のカレン・ハチャノフ、元選手のエフゲニー・カフェルニコフの名前を挙げてこう続けている。

「カサキナ、ハチャノフ、カフェルニコフはロシア当局の行動を公然と批判し、ロシア連邦の領域外に永住しながら、(ロシアの国旗と国歌を使用しない)中立の立場で行動し、NWO(New World Order/ポスト冷戦体制の国際秩序)とロシア社会から距離を置くことを全世界に示している。彼らの行動は法律上、外国の代理人に該当する」

テリュシコフ氏の訴えに対して法務省は「このテニス選手の違法行為を止めることには無関心」だと返答したそうで、テリュシコフ氏は適切な措置を採るよう副申書を再送付したと話している。もしカサキナが「外国のスパイ」のリストに登録されれば、彼女は国からの支援を一切受けられず、国立大学で教えたり、子どもたちと関わったりすることもできなくなる一方で、当局は裁判所命令なしに彼女のウェブサイトをブロックすることができる。また、厳しい監査の対象にもなるという。

一方で、今年の秋にロシア政府は2021年の国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」でカサキナがロシアの優勝に貢献したことで、国内で最高の栄誉に数えられる賞である「ロシアの栄えあるスポーツ熟達者」の称号を彼女に与えている。そのことが発表された際に元世界王者のカフェルニコフはカサキナへの支持を表明し、これまで彼女を非難してきた人々を糾弾していた。

テリュシコフ氏はとりわけカサキナに目をつけているようで、彼女と同じYouTube動画に出演し、大会中にもロシアによるウクライナ侵攻を繰り返し非難してきた世界8位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)の名は挙がっていない。だが、テリュシコフ氏の新たな動きを知ったカサキナは動じるどころか、軽くいなしており、メッセージアプリTelegramに「ロシアの下院にも私のファンがいるなんて嬉しいわ」と投稿し、ハートマークつきの笑顔の絵文字まで添えている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

写真は「WTA500 サンノゼ」でのカサキナ
(Photo by Carmen Mandato/Getty Images)

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