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元世界王者ベッカーが釈放、ドイツへ強制送還

正装姿のベッカー

4件の破産法違反で有罪となったテニスの元世界王者ボリス・ベッカー(ドイツ)が、現地15日の朝にイギリスの刑務所から釈放され、母国ドイツに強制送還されたことがわかった。英BBCなど複数のメディアが報じている。

テニス界のレジェンド選手である55歳のベッカーは、破産に関連して財産開示を怠った罪などで懲役30ヶ月の刑を4月に言い渡されていた。イギリスでは外国籍の囚人は国外退去に同意した場合、大幅に服役期間を短縮することができるため、その制度の恩恵を受けたベッカーはわずか8ヶ月で釈放されることに。西ロンドンのハンタークーム刑務所に服役していたベッカーは、10年間住んでいたイギリスを去り、「釈放は最高のクリスマスプレゼント」だと喜んだ高齢の母親が待つドイツに戻っている。

ベッカーはおよそ15年間の現役生活でグランドスラムを6度優勝し、引退後もドイツテニス連盟の代表や「デビスカップ」のキャプテンを務めるなど、テニス界に大きく貢献。また、元世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)のコーチを務めていた時期もあり、最近ではBBCで「ウィンブルドン」の解説をしていた。そんな華々しいキャリアの裏で、ベッカーは最初の妻との離婚や複数の事業の失敗によって膨大な借金を抱えた上、不動産購入のためにさらに5億円以上を借り入れようとしたところ、2017年6月にイギリスの法廷から破産宣告を受けている。

破産後も贅沢な暮らしを送っていたベッカーだったが、多額の現金や不動産を隠していたことなどで訴えられ、容疑は20件以上にのぼった。そのうちの4件で有罪となり、今回の実刑判決に至っている。そんなベッカーだがすでに新たな収入源を確保しているようで、本の出版に加え、複数のドキュメンタリーも制作されると報じられている。

その一つは、オスカー受賞監督による新しいApple TV+のドキュメンタリーで、プロデュサーは3年前から刑務所に入る直前までベッカーを追っていたという。同番組にはほかにもジョン・マッケンロー(アメリカ)やビヨン・ボルグ(スウェーデン)、マッツ・ビランデル(スウェーデン)、ミハエル・シュティヒ(ドイツ)、ジョコビッチといった豪華な顔ぶれが出演する。また、イギリスの放送局ITVがベッカーのドキュメンタリーを制作中だと明かしているほか、ミュンヘンに拠点を置く別のテレビ局もすでにベッカーと契約を結んでおり、彼が破産と服役に関する一部始終を話す代わりに高額の報酬を支払っている。さらに、同局は釈放後初めてのインタビューを独占するため、ベッカーがドイツに帰るためのプライベートジェットまで手配したとのことだ。

11月に刑期が短縮されると報じられた際、ドイツテニス連盟の副会長であるダーク・ホルドルフ氏はベッカーにどんな役職も用意する意向だと話しており、ベッカーは服役してもなお、職に困ることはなさそうだ。とはいえ、イギリスの破産手続きはドイツでも適用されるため、ベッカーが手にする収入の大半は没収されるという。これから彼が何を語り、どんな生活を送るのかが注目される。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は正装姿のベッカー
(Photo by Gisela Schober/Getty Images)

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