元世界女王のモニカ・セレス(アメリカ)が、大坂なおみ(日本/フリー)についてコメントした。米スポーツメディア Yardbarkerなど複数のメディアが報じている。
9個のグランドスラムタイトルを誇るセレスは、16歳6ヶ月で1990年の「全仏オープン」を制して史上最年少記録を樹立。1991年に世界女王となり、現役最後の大会となった2003年の「全仏オープン」までに通算53個のツアータイトルを獲得している。
セレスは、同じく女子テニス界のレジェンドの一人であるクリス・エバート(アメリカ)と最近行った対談の中で、大坂についてこう話している。「若い世代では大坂なおみが私に似ているけど、彼女は私よりももっといい選手。でも、まず彼女はボールをビシバシ打たないとね。それでも動きは本当に素晴らしいわ」
そんな大坂は2019年に世界女王に登り詰め、「全豪オープン」と「全米オープン」で2度ずつ優勝した経験を持つ。だが、今シーズンの彼女はたび重なる怪我もあって出場した大会はわずか11。「WTA1000 マイアミ」での準優勝が最高成績となり、世界ランキング42位でシーズンを終えている。最近の大坂は「一番大切なのは再びテニスを楽しめるようになったこと」と述べており、2021年の「全仏オープン」でメンタルヘルスの問題を訴えてからは自分のペースでキャリアを歩んでいるようだ。
セレスと大坂には父親にテニスを教わったという共通点がある。大坂はプロ転向後にサーシャ・バジン(ドイツ)、ジャーメイン・ジェンキンス(アメリカ)、ウィム・フィセッテ(ベルギー)からも指導を受けているが、その間に父親のレオナルド・フランソワさんがメインコーチを務めていたこともあり、今夏にフィセッテと別れてからは再び父親がコーチに復帰している。大坂は当時、「父がそばにいてくれるのは嬉しいし、子どもの頃を思い出すことができる」と話していた。
一方のセレスもプロとしては複数のコーチと組んでいるが、テニスに出会うきっかけを作ってくれた父親が、セレスが現役選手として活躍していた1998年にがんで亡くなるまで指導に関わった。仕事で忙しかった父親は限られた自由時間の大半をテニスに費やすほどテニス好きで、兄と平等にテニスを教えてくれたとセレスは言う。生まれ育ったユーゴスラビアで子どもがコートでプレーする機会はめったになかったため、駐車場に停めてある2台の車の間にネットを張ったり、壁打ちをしたりしてスキルを磨いたそうだ。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2016年のセレス
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)