ニュース News

ウクライナ軍に加わったスタコウスキーが、フェデラーがいかに賞金増額に貢献したかを回想

2017年ウィンブルドンのフェデラー

また1つ、ロジャー・フェデラー(スイス)がテニス界の発展に深く関わっていたことが明らかになった。フェデラーと同時期に活躍し今年1月に引退したセルゲイ・スタコウスキー(ウクライナ)が、フェデラーがツアーの賞金を増額させることで他の選手を助けていたと明かした。英Express紙が伝えている。

フェデラーは3度目の膝の手術を終えた後、約14ヶ月のリハビリを経てツアー復帰を果たしたが、「レーバー・カップ」を最後に惜しまれつつ引退した。引退後、フェデラーの輝かしいキャリアを題材にテニスジャーナリストであるサイモン・キャンバースとサイモン・グラフが執筆した『ロジャー・フェデラー効果(原題:The Roger Federer Effect)』が出版された。フェデラーをよく知る選手たちのインタビューも掲載され、元世界ランキング31位のスタコウスキーは賞金増額に貢献したのはフェデラーだったと述べた。

スタコウスキーは、2013年の「ウィンブルドン」2回戦でディフェンディングチャンピオンだった当時世界3位のフェデラーに勝利し番狂わせを演じたことがある他、フェデラーと共にATP選手協議会に属していたことがある。現役中、フェデラーはATP選手協議会のメンバーに複数回選出され、選手生活の向上に力を入れていた。さらにフェデラーはATP選手協議会会長も務めたことがあり、2014年に会長の任期を終えてからしばらくは協議会から離れていたが、2021年に再びメンバーとして選出されていた。

インタビューに答えたスタコウスキーは、フェデラーが自身の地位を利用して他の選手により多くの賞金が分配されるように働きかけたことを明かした。フェデラーはユーモアのある話術で巧みにATP側と交渉をしたそうだ。「彼がいたのは本当に良かった。僕やジル・シモン(フランス)が協議会にいるのもいいけど、ロジャーがいると全然違ったんだ」

「彼が交渉したり、反論すると大きな違いがあったよ。彼は賞金増額という面でなくてはならない存在だった。僕たちは何年もこの件について話し合っていたけれどかなり厳しい状態だったんだ。それをなんとかしようと、実力があってしっかりとした経歴の選手たちが出てきてくれたんだ」

スタコウスキーは、協議会にいたラファエル・ナダル(スイス)やフェデラーの支援がなければツアーが賞金増額に同意することは無かっただろうと考えている。そして、フェデラーがどう交渉したのか知った時のことを明らかにした。

「ロジャーとラファがいなければ、僕たちがこの件を押し進めることはできなかっただろうね。ロジャーが僕たちを呼んで、大きな増額があったと教えてくれたのを覚えている。その後、なぜ増額できたのか知ったんだ」とスタコウスキーは回想。「彼が取引を成立させられたのは、彼が“今ここで同意するか、ジル・シモンとセルゲイ・スタコウスキーと話すかだ”と言ったからなんだ。ちょっと面白いよね」

36歳のスタコウスキーは今年の1月に行われた「全豪オープン」予選の1回戦が現役最後の試合となった。19年間の現役生活を終えたスタコウスキーはウクライナに帰国。ロシアによる侵攻を受け、ウクライナ軍に加わった。スタコウスキーは当時「軍隊の経験はないけど、銃を扱った経験はある。たくさんの同胞が家族を避難させながら、命を懸けて戦うために残っているというのに、それをただ見ているわけにはいかない」と胸の内を明かしていた。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2017年ウィンブルドンのフェデラー
(Photo by Visionhaus/Corbis via Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

WOWOWテニスワールド編集部

facebook twitter

速報や最新ニュース、グランドスラム、ATP、WTAなどの大会日程と試合結果情報など、テニスのすべてをお届けします!

WOWOWテニスワールド

  1. Home
  2. ニュース
  3. ウクライナ軍に加わったスタコウスキーが、フェデラーがいかに賞金増額に貢献したかを回想