ニュース News

ナダルがカタールワールドカップの人権問題についてコメント

「全米オープン」記者会見でのナダル

今月20日より行われているサッカーの国際大会「FIFAワールドカップ カタール2022」での人権問題をめぐって、元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン)らがコメントしている。伊ニュースサイト UBI Tennisなど複数のメディアが報じた。

カタールで開催されている今回のワールドカップは、開幕前から移民労働者やLGBTコミュニティの人権が守られていないとして欧米諸国を中心に批判が起きていた。英Guardian紙によれば、10年前にカタールがワールドカップ開催権を獲得して以来、現地ではスタジアムやホテルを建設する大規模なインフラ工事が行われてきたが、それに関わった南アジアなどからの出稼ぎ労働者6500人以上が現地で死亡しているという。また、同国では同性愛は犯罪行為であり、有罪判決を受けた者は最長で7年間の懲役を科される可能性があるため、LGBTの出場選手や関係者、観戦に訪れるファンの安全が懸念された。

このような人権問題に立ち向かおうと、同大会に参加するヨーロッパの7ヶ国がLGBTを象徴するアームバンドを大会中に着用しようとしたものの、FIFAがこれは規定に反するとして着用する場合は選手に重い処分を科すと通達することで断念させている。その一方でFIFAは、観客やメディア関係者がLGBTを象徴するアイテムを着用したり持ち込んだりすることは認めているとしたが、実際にはスタジアムの警備員に尋問される、入場を拒否される、持ち物を没収されるといった事態が頻発している。

そんな中、世界ランキング3位のキャスパー・ルード(ノルウェー)とともに中南米でのエキシビションツアーを行っているナダルは、チリ滞在中にワールドカップでの人権問題について聞かれ、こう答えている。「グローバル化する世界で人々がより多くの権利を持てるようになったのは間違いない。メディアの露出が大きいこのような大会はそれを示す絶好の機会だ。その中で、誰もが他人を傷つけることなく、自分の主張や感情を表現する自由を持つべきだと思う」

「FIFAが下した決断、あるいは下さなかった決断は良くも悪くもあるけど、結局それは彼らが示したいと思っているルールや態度なんだ。誰にだって自分の意見を述べたり、反対意見を示したりする場が提供されるべきで、それが今起こっていることだと理解している。スポーツは世界的な注目コンテンツだから自分を表現する格好の場だ。でも、僕にとってそれ以上に大切なのは、選手がサッカーやテニスをプレーすること。それ以外のことはあくまでも世界を良くするためのプラットフォームであって、メインの目的はその競技自体だ」

現地26日の夜にブラジルでの試合を終えたナダルとルードは、深夜の空港でチームのメンバーとともに輪になり、サッカーボールを地面に落とすことなくどれだけ繋げられるかというゲームをしながら、フライトまでの時間を潰していたようだ。

ナダルと同じくサッカー好きとして知られる元世界王者のアンディ・マレー(イギリス)は、これまでカタールやアラブ首長国連邦で開催されたツアー大会に出場した経験があることから、今回のワールドカップに出場する選手へのアドバイスを開幕前に求められた。これに対してマレーは「それは難しい質問だ」と切り出し、こう続けた。「どこで大会が行われるかは必ずしも選手の責任ではない。出場する選手の多くはワールドカップに出るために人生をかけてきた。だから、開催地として適切かどうかといった質問は大きな大会を運営するFIFAをはじめとした人たちに投げかけるべきだ」

マレーは以前、反体制派に対する非人道的な行為を非難されているサウジアラビアで開催されたエキシビション大会への招待を断っており、「あそこに行ってプレーすることはない」と断言している。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全米オープン」記者会見でのナダル
(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

WOWOWテニスワールド編集部

facebook twitter

速報や最新ニュース、グランドスラム、ATP、WTAなどの大会日程と試合結果情報など、テニスのすべてをお届けします!

WOWOWテニスワールド

  1. Home
  2. ニュース
  3. ナダルがカタールワールドカップの人権問題についてコメント