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デビスカップ、目標はグランドスラム級への成長?

「デビスカップ」優勝トロフィー

男子の国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マラガ/11月22日~11月27日/室内ハードコート)が開幕する中、伊ニュースサイト UBI Tennisとの独占インタビューで運営側が今後の目標について語った。

大会を運営する投資グループ Kosmosは、先日現役を引退したスペインの元サッカー選手ジェラール・ピケらによって設立され、2018年にITF(国際テニス連盟)から「デビスカップ」の権利を獲得した。以来、Kosmosは従来のホーム&アウェイ方式を廃止してワールドカップのようにグループステージを勝ち抜いた国が決勝ラウンドで一堂に会する形式に変更するなど、選手や関係者の間で賛否両論を巻き起こしながら、120年以上の歴史を誇る大会を改革してきた。

2020年からはグループステージや決勝ラウンドを複数の都市で同時に開催するという新たな試みが加わった。その開催地をめぐっては今年、グループステージの入札プロセスから不当に除外されたとしてFFT(フランステニス連盟)が大会運営側と大きく揉めたことや、決勝ラウンドが中東で開催されるという噂が流れたことが話題となった。

Kosmosが権利を獲得してから4回目の大会開催を前に、CEOのエンリク・ロハス氏が「デビスカップ」の現状や今後の展開について語っている。

まず、10月末にATP(男子プロテニス協会)がKosmosとのパートナーシップを発表したことについて聞かれたロハス氏は、「様々な関係者を団結させることによって私たちが成長していく礎を築くことができた」とコメント。「その第一歩として、選手たちの意見も反映し、ほかの大会と重ならないようATPが“デビスカップ”に特化したスケジュール(2月初旬、9月中旬、11月下旬)を確保してくれた」

ATPの加入によって取締役会の6席はKosmos、ITF、ATPの間で均等に分けられ、組織の中でATPは大きな発言権を持ち、スケジュールの変更などについては選手たちとともに意見を述べることができるようになるという。Kosmosは大会の運営と商業的な部分に関しては引き続きリーダーシップを発揮していくとロハス氏は述べており、長期的な計画としては試合の配信方法やスポーツ賭博、データの提供などについても検討してくとのことだ。

Kosmos が運営するようになってから「デビスカップ」ファイナルズの試合はすべてヨーロッパの都市で開催されており、決勝ラウンドについては2023年もスペインのマラガで行われることが決まっている。だが、2024年以降の決勝ラウンドや来年以降のグループステージは世界のどの国で開催されてもおかしくないとロハス氏は言う。

「今年のようにグループステージが9月であれば、“全米オープン”の直後だから北米大陸でも可能だし、その次のシーズンと合わせてアジアでもいい。あるいはインドアシーズンとつなげてヨーロッパで開催することもできるだろう。サーフェスの種類に関しても、今はグループステージと決勝ラウンドは同じ条件にしているが、それに縛られる必要はない。ただ、全体として統一するべきだと考えている。さらに、直前の“ATP ファイナルズ”が室内コートで行われることを考えると、“デビスカップ”の決勝ラウンドも選手の負担を減らすために室内コートが好ましいだろう」

Kosmosによる「デビスカップ」は紆余曲折ありながらも着実に観客動員数を増やしているそうで、ロハス氏は今後の目標についても強気な姿勢を示している。

「私たちの野望はこの大会をグランドスラムのレベルに引き上げることだ。今はまだ視聴者、スポンサー、テレビ放映権など、どの点をとってもATPのマスターズ1000大会のレベルだと思っている。初期の段階としてはすでに満足のいく結果と言えるが、長期的にはさらに上を目指したい。私たちのビジネスプランでは、いずれグランドスラム並みの格式ある大会になることを目標としている。その中でも“デビスカップ”らしい雰囲気を維持することが重要だ」

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「デビスカップ」優勝トロフィー
(Photo by Oscar J. Barroso/Europa Press via Getty Images)

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