• 【実際の投稿】「2022年シーズンは素晴らしかった」と人々への感謝を綴るカサキナ

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「とても長くて精神的に疲れる、厳しい道のりだった。あの頃から4年になる。最終戦の控え選手だった頃から、その後はテニスを辞めることまで考えて、今は出場資格を得て“WTAファイナルズ”に戻ってきた。これは素晴らしいことだわ。このことは、決して諦めるべきではないということを改めて示している。だって、次の角を曲がったら何が待っているかは絶対にわからない。だからものすごく辛くても、進み続けなければいけない。全てが崩れ落ちていくように思っても、もしかしたら明日になれば全てが変わるかもしれない」と25歳のカサキナは語った。

カサキナが2018年末に初めて世界のトップ10に入った後、物事は計画どおりにはいかなかった。そして彼女は「全てが崩れ落ちていくように感じた」という。期待の重みがのしかかり、みんなをがっかりさせているように感じた。しかしこの難しい時期を抜け出す頃には、人々をがっかりさせるというその思いこそが、復活の原動力となった。

「満足なプレーができなくてテニスを楽しめなかった。コートに立つことを楽しめなかった。旅をするのも、ボールを打つのも、何もかも楽しくなかった。だから、辞めることを考えた。でも長い間ではなくて、私はただこの地点を通過しなければいけなくて、この経験を得た。あの時に扉を閉めなくて良かったわ」

「その時は、人々をがっかりさせないということが私のモチベーションになっていた。あの瞬間にそれが機能したことが嬉しいわ。この状況に陥ったのは期待のせいだと思うし、人々は私に何かを期待していたと思う。でも、実はそれこそが私を救ったものでもある。だから常に両方の面を見ないといけない。最初はそれがほとんど私を殺しかけたけれど、次にはそれが私を救った。視点が全てよ」

2019年6月からカサキナのコーチを務めるカルロス・マルチネス氏は、自分がどれほどいい選手であり、なぜそうなのかをカサキナが知らないことが問題だと指摘したという。またカサキナにはとても才能があるために深く考えずにプレーしていて、もっとテニスを理解しなければいけないと説いた。マルチネス氏はこの考えのもと、コーチ就任直後からどうプレーするかをカサキナに理解させ、基礎を築き、規律を作り、試合の型を築くことに取り組んだ。

新型コロナウイルス感染症の大流行でツアーが中断した時、カサキナとマルチネス氏は互いをより理解するために時間を使った。試合や気構えについて長時間話し、バルセロナで20週間トレーニングを行ったことが、カサキナのその後を決定づけた。

カサキナは2021年に2大会で優勝し、2年半続いた無冠のスランプを断ち切った。2022年には「WTA250 メルボルン」と「WTA500 シドニー」で準決勝に進出して、幸先の良いスタートを切った。しかし、カサキナのシーズンが真に活気づいたのは春のクレーシーズンでのことだった。カサキナは「WTA1000 ローマ」でベスト4に入ると、「全仏オープン」でもグランドスラムで初めての準決勝進出を果たす。その後カサキナは7月に同性の恋人がいることを公表し、「自分が心地良く生きられることが一番大事」と語った。

カサキナは、自分には「広々とした」成長の余地があると感じており、目的地よりも旅路に価値を置くと語る。「もちろん結果は大事で、結果を出せば嬉しいし負ければ不満を感じる。でもこれまでにもたくさんの素晴らしい選手たちが、目標に到達してその先何をすればいいかわからず、途方に暮れてきたのを知っている。私はそうはなりたくないから、一つだけの基準を設定したり、達成すれば幸せに思える一つの結果を目指したりしたくない。それでは幸せになれないから」

「その瞬間には幸せを感じるでしょうけれど、その後は何をしたらいいかわからなくなると思う。だから私は、その旅路を、その道のりを楽しみたい。それこそが、40年後にも覚えていることだから。もちろん結果は大事だし、グランドスラムなどでできるだけたくさん優勝したいけれど、一つの目標を設定したくはないわ」

カサキナは先日、ソーシャルメディア上で、恋人であるフィギュアスケート選手のナタリア・ザビアコさんとの交際一周年を祝う喜びに満ちた投稿を行った。二人はモルディブのボリフシ島で休暇を楽しんでいるようだ。カサキナはザビアコさんを「最高の人」と呼び、水着姿で寄りそう仲睦まじい2ショットを披露している。

（WOWOWテニスワールド編集部）

※写真は「WTAファイナルズ フォートワース」事前イベントでのカサキナ（右）とザビアコさん
(Photo by Robert Prange/Getty Images)