元世界女王で、「全豪オープン」と「全米オープン」のそれぞれで2度優勝経験を持つ大坂なおみ(日本/フリー)。今シーズン大坂が出場した大会はわずか11にとどまり、タイトルの獲得はなく14勝9敗という成績でシーズンを終えた。そんな大坂に、女子テニス界のレジェンド、マルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)が言及した。英スポーツメディア EUROSPORTが伝えている。
大坂はディフェンディングチャンピオンとして迎えた今年の「全豪オープン」では、1、2回戦をストレートで順調に勝ち上がったが、3回戦で当時世界ランキング60位のアマンダ・アニシモワ(アメリカ)に6-4、3-6、6-7(5-10)で敗戦。世界ランキングでは14位から85位へと大幅に順位を落とす結果になった。それから1ヶ月間ツアーから離れたのち、「WTA1000 インディアンウェルズ」で復帰。しかし試合中に観客から野次を飛ばされ涙するというアクシデントに見舞われ、2回戦で姿を消した。
翌週の「WTA1000 マイアミ」では、1回戦から準々決勝まで1セットも落とさない活躍を見せ、ベスト4入り。準決勝では3連敗中と相性の悪かった第22シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)をフルセットで破り、昨年の「全豪オープン」以来に決勝進出。決勝戦の結果は第2シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)に4-6、0-6で敗戦となったものの、試合後に「来年か今年の終わりにはトップ10に入りたい」と意欲を見せていた。
ところがクレーシーズンでは「WTA1000 マドリード」と「全仏オープン」のみの出場に終わり、マドリード大会では2回戦、「全仏オープン」では1回戦負け。それ以降はアキレス腱の怪我もあり、グラスシーズンを丸ごと欠場する事態に。8月からの北米ハードコートシーズンでは4大会に出場し、1勝4敗。「全米オープン」では初めて1回戦敗退を経験した。そして今年最後に出場した大会「東レ パン・パシフィック・オープン」では、2回戦の前に腹痛のため棄権。年末ランキングでは42位でシーズンを終えることとなった。
18度のグランドスラムシングルス優勝経験を持つナブラチロワは、「WTAファイナルズ フォートワース」の会場で大坂について尋ねられ、次のように回答している。
「色々なことが早く起きすぎたのかもしれない。今一度自分自身に聞いてみるべきだと思う。“本当にテニスが好きか?” そこに戻るわね。選手たちは目の前のことに集中する必要があると思うし、テニスを愛しているならそれは素晴らしいこと。そうでなくても、問題ないわ。でも時間は刻一刻と進んでいるから、よく考えて心を決めるべきね」
今季は結果が振るわない年になったが、その実力は疑いようがない。大坂が再びツアーの舞台で輝き、世界のトップへと返り咲く姿をファンは待ち望んでいる。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」で観客から拍手を送られる大坂
(Photo by Robert Prange/Getty Images)