ニュース News

26歳選手がチャレンジャー大会初優勝を亡き母に捧げる

「全豪オープン」予選でのトゥ

世界ランキング190位で26歳のリー・トゥ(オーストラリア)が、ソウルで開催されたチャレンジャー大会で獲得した初タイトルを亡き母に捧げた。豪スポーツメディア Fox Sports Australiaなど複数のメディアが報じている。

10月中旬にソウルで行われたチャレンジャー大会に予選から参加していた当時世界292位のトゥは、世界109位のクリストファー・オコネル(オーストラリア)や世界114位のジェームズ・ダックワース(オーストラリア)などを退け、決勝では世界135位のウー・イービン(中国)をストレートで下した。その結果、トゥは100以上のランクアップで世界190位に到達。試合終了直後に天を仰いで涙を拭った彼は、優勝を1ヶ月前にガンで亡くなった母親に捧げた。トゥはInstagramで母親への思いをこう語っている。

「今日は母さん、あなたの誕生日だ。ここ2ヶ月は僕の人生で最も過酷な日々だった。母さんがガンと闘い、毎日もがき苦しみながら、徐々に感覚を失っていく姿を見てきた。テニスの練習を続けていたのは、母さんがそうするようにずっと僕に言い続け、自分の体調は“良くなっている”と言っていたから。2022年9月24日、母さんが息を引き取る時には、母さんのことが大好きな家族みんなが側にいることができた」

「亡くなる数日前に“韓国で会おうね”と言われて僕は泣き崩れた。葬儀の翌日に韓国に来た時はプレーできるかどうか不安だった。でも、試合の前に必ず空を見上げて、そこに母さんの姿を見つけられた時は思わず笑顔になった」

「母さん、僕たちはよくやったね」

今年はシーズン初めからITF(国際テニス連盟)の下部大会やチャレンジャー大会に積極的に参加してきたトゥだが、8月中旬にシカゴでのチャレンジャー大会に出場した後は1ヶ月半ほど公式戦でプレーしていなかった。9月下旬に行われる「ATP250 ソウル」の予選に参加すべくフライトを押さえていたが、最終的に母親のそばにいることを優先し、その数日後に母親は亡くなったという。葬儀の直後に出場した韓国の光州大会では2回戦敗退となったが、続くソウル大会で母親の期待に応えることができた。

トゥはジュニア大会で活躍していたものの、18歳だった2014年に大学進学とコーチ業を追求するため、競技テニスから一度離れている。トゥは当時をこう振り返る。「2014年に辞めた時は“もういい。テニスは僕に向いていない”って思ったんだ。勝つのは好きだったけど、それに必要な努力やトレーニング、スケジュールを立てることはどうしても好きになれなかった。雨が降った日は迷わず“今日は何もしなくていいや。気にしないでおこう”という感じだったよ。自分を追い込むためのモチベーションに欠けていたんだ」

競技テニスから離れていた間にアデレード大学でマーケティング商学の学士号を取得し、2017年に設立した自身のL2アカデミーで指導に当たった。その過程で、改めてテニスが好きになったという。「テニスのコーチングビジネスを始めてからすごく上手な子どもたちを指導するようになった。そうしたらテニスがまた好きになって、すべてに感謝するようになったんだ」とトゥは語る。さらに友人からの後押しもあり、2020年からトゥは気持ちを新たにトレーニングに取り組むようになり、プロの道を目指した。2021年9月、およそ6年ぶりにATPランキング圏内に戻ってくると、この一年で着々と順位を上げてきた。

トゥは現在オーストラリアに戻ってチャレンジャー大会に出場している。11月にはフィアンセのキンバリーさんと結婚式を挙げる予定だ。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全豪オープン」予選でのトゥ
(Photo by Mike Owen/Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

WOWOWテニスワールド編集部

facebook twitter

速報や最新ニュース、グランドスラム、ATP、WTAなどの大会日程と試合結果情報など、テニスのすべてをお届けします!

WOWOWテニスワールド

  1. Home
  2. ニュース
  3. 26歳選手がチャレンジャー大会初優勝を亡き母に捧げる