ニュース News

元グランドスラム覇者ラデッカが引退「叶わなかった夢は一つだけ」

「全米オープン」でのラデッカ(左)とノスコバ

3度のグランドスラム優勝、2度のオリンピックメダル獲得、そして5度の「ビリー・ジーン・キング・カップ(旧フェドカップ)」優勝という輝かしい経歴で、チェコテニス界を率いてきたルーシー・ラデッカ(チェコ)が引退することになった。ラデッカはWTA(女子テニス協会)のインタビューに答え、現在の心境を語った。

ラデッカはアンドレア・フラバチコバ(チェコ)とペアを組み、2011年「全仏オープン」と2013年「全米オープン」で優勝。フランティセック・サーマック(チェコ)と2013年「全仏オープン」の混合ダブルスも制している。

女子ダブルスと混合ダブルスで、ラデッカはさらに6回グランドスラム決勝進出を果たした。フラバチコバと出場した2012年の「ロンドンオリンピック」では、決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)/ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)姉妹に敗れ銀メダルを獲得。二人は同年イスタンブールで行われた「WTAファイナルズ」でも準優勝を果たしている。2016年の「リオデジャネイロオリンピック」ではラデク・ステパネク(チェコ)と混合ダブルスに出場し、銅メダルを獲得した。

ラデッカはキャリア後半は主にダブルスで活躍。世界ランキング4位に到達し、「WTA1000 シンシナティ」を含む26大会で優勝を飾った。シングルスでも7大会で決勝進出を果たし、世界41位に到達している。37歳のラデッカは10月初旬、祖国チェコで開催された「WTA500 オストラバ」出場中に、今シーズンで現役を終えることを発表。様々な功績を残したラデッカにとって、一番印象に残る瞬間を選ぶことは難しいと語った。

「楽しみとしてテニスを始めたの。姉のペトラのようになりたかったから」とラデッカは幼少期を振り返って言った。「私がたくさんの大会で優勝するようになるなんで誰も思っていなかったと思う。一つの出来事を選ぶことはできないわ、すべてが私にとって特別で、物語がある。すべてを誇りに思うし、感謝している」

父親のカレルさんがフォアハンドもバックハンドも両手で打ったらどうかと勧めたのは、ラデッカがまだ6歳か7歳の頃だった。ラデッカはテレビでテニスを見る機会がなく、憧れの選手はいなかったが、寝室の壁にモニカ・セレス(アメリカ)のポスターが貼ってあったことは覚えているという。セレスもフォアハンドとバックハンドを両手打ちしていた選手だった。何か共感するものがあったのかもしれない。ラデッカは両手打ちスタイルを続けていくことになった。

「パワーが加わって、大きなアドバンテージになった。でも時々、特にシングルスの時は、難しいと感じることもあった。リーチを1メートルほど犠牲にしてしまうから」

ヨーロッパの真ん中のプラハで育ったラデッカだったが、16歳か17歳の頃まで国外の大会に出場したことはなかった。「父が、まだ国内の選手に負けている状態でなぜ国外に行くのか?という考え方だった。でもある年、ジュニアで数回しか負けなかった。それで父が“じゃあ国外の大会に出場してみようか”って言ったのよ」

その後の活躍は先ほど説明したとおりだ。数々のトロフィーの中で、チェコ代表として出場した大会のものは特別な意味を持つという。「2011年に初めて優勝した時は、本当に緊張していた。私とクベタ・ペシュク(チェコ)がコートに出た時、2-2で並んでいたから勝敗はダブルス次第だった。私には全てが初めてだったけれど、クベタが必要なことを教えてくれたし、冷静でいられるよう助けてくれたから、すべてのポイントに集中することができた」

「優勝できて素晴らしかったわ。私たちの世代の初めての“フェドカップ”優勝だった。その後数年は、もう一度できるはず、って感じていたわ。ルーシー・サファロバ(チェコ)やペトラ・クビトバ(チェコ)のいる素晴らしいチームだったし、みんなで交代しながら重要な試合で勝利していった。選手にとってすごく大きな意味を持つの。そして祖国でプレーするたびに観客が励ましてくれて、とても有利だったと思うわ」

ラデッカは、祖国での最後の試合で17歳のリンダ・ノスコバ(チェコ)とペアを組んだ。ノスコバは現在急成長中の若手で、先日ココ・ガウフ(アメリカ)を抜きWTAトップ100に在位する最も若い選手となった。ベテランと若手のペアは1回戦でキャサリン・マクナリー(アメリカ)/アリシア・パークス(アメリカ)ペアに敗れたが、ラデッカは敗戦を冷静に受け止めた。

「さよならを言う時が来た。若い選手に焦点を当てる時。私の経験を共有することができて良かった。もし彼らが私から何かを学んでくれて、いつか思い出してくれたら幸せよ」ラデッカは涙を流しながら、笑顔で謙虚に語った。「叶わなかった夢はたった一つだけ。シングルスで優勝したかった。でも自分の現役生活には結構満足しているわ」

今は、家でゆっくり過ごす時間が待ち遠しいと語るラデッカだが、今後の人生でもテニスが重要な役割を果たすことは間違いない。「姉がテニススクールを持っているから、ぜひ子供たちを助けたいと思っているの。私にとって子供の笑顔はすべてよ。だから指導や練習で姉を助けて、その後は成り行きに任せるわ」

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全米オープン」でのラデッカ(左)とノスコバ
(Photo by Jamie Squire/Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

WOWOWテニスワールド編集部

facebook twitter

速報や最新ニュース、グランドスラム、ATP、WTAなどの大会日程と試合結果情報など、テニスのすべてをお届けします!

WOWOWテニスワールド

  1. Home
  2. ニュース
  3. 元グランドスラム覇者ラデッカが引退「叶わなかった夢は一つだけ」