世界トップのシングルス8選手とダブルス8組だけが出場を許されるシーズン末の最終戦、「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/11月13日~11月20日/室内ハードコート)。今年の賞金はテニス史上最高額となることがわかった。大会公式ウェブサイトなどが報じている。
この大会では、まず各4選手ずつ2グループに分かれて総当たりのグループステージが戦われ、各グループの上位2名ずつ、計4名が準決勝に進んで勝ち抜き戦に臨む。1試合に出場、あるいは勝利するごとに賞金が加算されていくので、優勝でもグループステージを全勝で勝ち上がった場合とそうでない場合では受け取る金額が違ってくる(いずれにせよとてつもない金額であることに違いはないが)。
まずグループステージの出場賞金が1試合で16万ドル(約2400万円)、2試合で24万ドル(約3600万円)、3試合で32万ドル(約4800万円)。普通に出場すればグループステージでは3試合を戦うことになるが、昨年のマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)のように最初の試合で怪我をして、2試合目以降はプレーできない、といった状況もあり得る。そういう場合には途中から補欠選手の出場となるが、その補欠選手の参加賞金(試合に出なかった場合でも支払われる)は15万ドル(約2300万円)。さらにグループステージで試合に勝利した場合、1勝につき38万3300ドル(約5800万円)が加算される。
ベスト4に勝ち進み、準決勝で勝利を挙げると107万ドル(約1億6100万円)。決勝で勝利するとプラス220万400ドル(約3億3100万円)。グループステージ全勝で優勝を果たせば、しめて474万300ドル(約7億1300万円)というテニス史上最高額の優勝賞金を手にすることになる。
これまでにテニス界で最高の優勝賞金を受け取ったのは、2019年「WTAファイナルズ」を制したアシュリー・バーティ(オーストラリア)。全勝していれば472万5000ドル(約7億1000万円)のところだったが、グループステージで1敗していたため、442万ドル(約6億6500万円)を獲得している。
ダブルス選手の賞金も、シングルスからはだいぶ見劣りがするとはいえ、過去最高の金額に。全勝優勝を果たしたペアは93万300ドル(約1億4000万円)を受け取ることになる。
10月21日時点で出場が決まっているのは、シングルスではカルロス・アルカラス(スペイン)、ラファエル・ナダル(スペイン)、キャスパー・ルード(ノルウェー)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の5人。ダブルスではヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/ニール・スクプスキー(イギリス)ペア、ラジーブ・ラム(アメリカ)/ジョー・ソールズベリー(イギリス)ペア、マルセロ・アレバロ(エルサルバドル)/ジャン ジュリアン・ロジェ(オランダ)ペア、ニコラ・メクティッチ(クロアチア)/マテ・パビッチ(クロアチア)ペアの4組。
残る出場枠は多くはないが、今週は3つの250大会が開催中で、来週にはウィーンとバーゼルの2つの500大会、さらに翌週にはパリでのマスターズ1000大会が開催される。最終戦出場権争いはますます過熱しそうだ。
■2022年Nitto ATPファイナルズ シングルス賞金
補欠 15万ドル(約2300万円)
出場賞金 1試合 16万ドル(約2400万円)
2試合 24万ドル(約3600万円)
3試合 32万ドル(約4800万円)
グループステージ 1勝につき 38万3300ドル(約5800万円)
準決勝勝利 107万ドル(約1億6100万円)
決勝勝利 220万400ドル(約3億3100万円)
全勝優勝 474万300ドル(約7億1300万円)
■2022年Nitto ATPファイナルズ ダブルス賞金(1ペアにつき)
補欠 5万ドル(約750万円)
出場賞金 1試合 5万2000ドル(約780万円)
2試合 9万7500ドル(約1500万円)
3試合 13万ドル(約2000万円)
グループステージ 1勝につき 9万3300ドル(約1400万円)
準決勝勝利 17万ドル(約2600万円)
決勝勝利 35万400ドル(約5300万円)
全勝優勝 93万300ドル(約1億4000万円)
※為替レートは2022年10月21日時点
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP1000 マドリード」でのアルカラス(左)とナダル
(Photo by David S. Bustamante/Soccrates/Getty Images)