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柴原のパートナー、ムハメッドがロゴなしのファッショナブルなウェアを制作

「WTA1000 インディアンウェルズ」での柴原(右)と自社ブランドのウェアを着たムハメッド

エイジア・ムハメッド(アメリカ)は、WTAツアーに参戦する中でも特にファッションにこだわりを持つ選手の一人だ。コートの中でも外でも自分らしい装いを追求するムハメッドが、ファッションと自身がプロデュースするブランドに対する情熱を語った。WTA(女子テニス協会)公式ウェブサイトが伝えている。

ダブルスで柴原瑛菜(日本/橋本総業ホールディングス)とペアを組むムハメッドは、13歳の頃にセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が短いデニムのプリーツスカートを履いてテニスコートに現れた瞬間を忘れることができないという。その時、ムハメッドのテニスとファッションへの愛が交差した。

「2004年の“全米オープン”でのセレナのウェア…本当に大好きだった。すぐに両親に買ってもらったわ。ラスベガスのシーザーズパレスにあるナイキタウンにあったの。その時のことが、私をファッションの方へ惹きつけたのね」

それから時が経ち、31歳になったムハメッドはテニス選手として活躍する傍ら、親友のキンバリー・イーさんとテニスウェアメーカーを立ち上げた。ブランドの名はLemonsnlaundryという。イーさんの父親は、デトロイトで両親が営むコインランドリーで育ったそうだ。

「父に敬意を払う、ユニークな方法だったの。父は私にテニスを教えてくれた」と2015年から2019年までスタンフォード大学でテニスをしていたイーさんは言う。「レモンをレモネードにするという考えと、言葉遊びを組み合わせたの。私たちは、実際に着たくなるような女性のテニスウェアを作ることに決めたの」

ムハメッドはLemonsnlaundryのウェアを着用し、数々の大会に出場。現在は柴原とのペアでシーズン末の最終戦「WTAファイナルズ フォートワース」への出場権をかけ、日々戦っている。今年の「全米オープン」の記者会見で、自身のブランドを立ち上げた経緯について語った。

「キミーとは、彼女の父親が働いているラスベガスの青少年育成財団で出会ったの。長い間このことについて話し合ってきて、やっと1年半前に実行した。私たちは、女性が経営する、デザインをする会社にしたかった。とても楽しかったわ。他の女子スポーツの多くはかっこいいウェアがない。例外はバレーボールくらいね。例えばバスケットボールでは、とても長いショーツを着ている。私はあまり好きじゃないの」

「私はデザインとSNSでの宣伝担当。もちろん私はウェアを着るし、色々と選ぶ作業をする。彼女はどちらかというと裏方で、物流管理なんかを担当しているわ」

ムハメッドは自分の好みを理解している。自分のビジョンを紙に落とし込み、イーさんがそれを商品にする。イーさんは卒業してからロサンゼルスに住み、生地の調達や縫製・製造の詳細決定に携わっている。カリフォルニアで製造されるウェアもあるが、海外でも製造を行っている。

会社を立ち上げたのは2021年初めだった。それから約4ヶ月後、Lemonsnlaundryは商品第一号となるウェアを開発。2人は商品にロゴを付けないという選択をした。ロゴが通貨となるファッション界で、2人の選択は重要かつ難しいものだった。ムハメッドとイーさんは会社の出資者として、ロゴは作るのも服につけるのも高くつく、と判断。

「こうすれば、人々は実際の商品にだけお金を払うことになる」とムハメッドはロゴを不要とした決断について語った。「洋服の中には、ロゴがあるために台無しのものもある。私たちにとって、今は、値ごろ感がいちばん大切なことなの」

一方イーさんは、「私たちはクリーンな見た目が好きなの。ロゴがない競技ウェアブランドなんて私たちだけだと思う。諸刃の剣だけれど、人々がこれが高品質のものだと気づいて、最終的には気に入ってくれることが私の望み、私の目標よ」と語った。

「全豪オープン」でファイナリストになりトップ10入りを果たしたダニエル・コリンズ(アメリカ)も、「全米オープン」の1回戦で大坂なおみ(日本/フリー)を退けた時にLemonsnlaundryの黒いタンクトップを着用していた。ムハメッドもまた、ダブルスの試合に同じタンクトップを纏い出場した。

ムハメッドのお気に入りは、ロロと名付けられた青いウェアだという。ロサンゼルスで活動する有名なDJ、Elohimも、このドレスをコーチェラ・フェスティバルで着たいと連絡をくれたが、すでに売り切れていた。

「材料を揃える時間が無かったの」とイーさん。「それで思い出したけれど、新しく商品ができたら彼女に連絡しなきゃ」

セレナやビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)、エレナ・オスタペンコ(ラトビア)など、テニスウェアブランド事業を営むテニス選手は少なくない。ムハメッドとイーさんは、ラスベガスのスターリングクラブにすでに第一号店舗をオープン。2人の目標は、オンライン小売店へ販路を拡大し、実店舗の数を増やすことだ。3万7000人のフォロワーがいるムハメッドは、SNSでの広報活動に勤しんでいる。Lemonsnlaundryは商品の一部を若い女子アスリートやホームレスのシェルターへ提供もしている。

「一般的に、新しい服を買うと素晴らしい気持ちになれると思う。私たちは、素敵な服で若い女の子たちを助けたい。魅力的な服があると、気分がいいわ。女の子たちをそういう面で支援できることを幸せに感じているの」とムハメッドは語った。

ここまで、2人の事業は順調だ。すでに資金を当初の2倍にすることに成功したという。

「トップ選手にはスポンサーがいる。でも、その下の選手には変なギャップがあるわ。才能のある選手でも、ウェアのスポンサーがいないこともある。私たちはその隙間を埋めたいの」とイーさんは今後の展望を語った。

ムハメッドはというと、今はテニスに集中している。ムハメッドと柴原は第9シードとして「全米オープン」に出場し、3回戦でガブリエラ・ダブロウスキー(カナダ)/ジュリアナ・オルモス(メキシコ)ペアに敗れた。今後も複数の大会に出場し、「WTAファイナルズ フォートワース」への切符を掴みたいと考えている。

「できるはずよ」とムハメッドは自信を持って言った。「大きな大会がまだまだあるわ。それがテニスの素晴らしいところ」

そしていつか引退の日がくれば、ムハメッドは次の段階、おしゃれなファッション起業家へと進んでいくのだろう。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「WTA1000 インディアンウェルズ」での柴原(右)と自社ブランドのウェアを着たムハメッド
(Photo by Robert Prange/Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

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