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世界メンタルヘルスデーにシフィオンテクは賞金を寄付、エバートらが呼びかけ

「全米オープン」でのシフィオンテク

10月10日の世界メンタルヘルスデーに、テニスレジェンドのクリス・エバート(アメリカ)は、自分の心の声に耳を傾けるようSNSで呼びかけた。スポーツウェブメディアSportskeedaが伝えている。

現役時代はそのカウンターアタックで他を圧倒したエバートは、70年代から80年代にかけて女子テニス界を牽引、グランドスラムで18回の優勝を飾った。元世界女王のエバートは引退後に弟のジョンとエバート・テニスアカデミーを設立した他、テレビなどのコメンテーターとして活躍している。

テニスが選手のメンタル面に及ぼす影響について、エバートは早くから警鐘を鳴らしてきた。今年2月に、「ATP500 アカプルコ」に出場していたアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が苛立ちを抑えられず、審判席をラケットで何度も叩き失格となった。エバートはズベレフのようにコートで感情の制御ができない選手が近年増えていること、それらが感情の健全性の乏しさから来ていることを強調。世界メンタルヘルスデーを機に、不安やストレスを感じていたり、気持ちが落ち込んでいるならば、専門家に助けを求めてほしいと訴えた。

「不安障害は、アメリカで最も多い心の病です。不安やストレスを感じていたり、気持ちが落ち込んでいる時は、誰かに話して下さい。助けを求めて下さい。あなたは一人ではありません」とエバートはツイート。

世界メンタルヘルスデーを機に、心の病に苦しむ人に手を差し伸べようと行動を起こした選手たちもいる。「WTA500 オストラバ」で準優勝した現世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は、同大会で得られた賞金すべてをポーランドのメンタルヘルス慈善団体に寄付すると発表。

昨年も同大会でシフィオンテクはメンタルヘルスの重要性について語っていた。2021年の「WTA1000 インディアンウェルズ」で得た賞金もメンタルヘルスの慈善活動に寄付している。エバートはこのニュースを伝えたEurosportの投稿をリツイートし、「ありがとう、イガ・シフィオンテク」と感謝の意を示した。

また「WTA250 クルージュナポカ」に出場していたユージェニー・ブシャール(カナダ)、アナ・ボグダン(ルーマニア)、マルタ・コスチュク(ウクライナ)、ジャクリーン・クリスティアン(ルーマニア)らも、メンタルヘルスへの関心を高めようと同大会の公式SNSで公開された動画に出演し、世界に向けてメッセージを送った。

テニス界ではメンタルヘルスについて語る機会が増えてきている。多くの現役選手や元選手が、辛い心の内を明かせなかった時期があったことを公言するようになった。不安障害に苦しんだ過去を告白したマーディ・フィッシュ(アメリカ)、2021年「全仏オープン」でメンタルヘルスを理由に記者会見を拒否した大坂なおみ(日本/フリー)、SNSでの批判に苦しんだと明かしたステファノス・チチパス(ギリシャ)、若くして成功を掴んだがゆえに過度にプレッシャーを感じたと話したココ・ガウフ(アメリカ)、現役時代には心の病があることを恥ずかしいと感じていたというロビン・ソダーリング(スウェーデン)、そして今年の「全仏オープン」でパニック発作を起こしたシモナ・ハレプ(ルーマニア)など。コートの中でも外でも心をすり減らしながら戦っている選手たちが望むのは、多くの人が心の問題を重大なものとして捉え、批判やプレッシャーから選手たちを守り、治療やケアを行うためのよりよい環境が整備されることだ。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全米オープン」でのシフィオンテク
(Photo by Robert Prange/Getty Images)

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