ATP(男子プロテニス協会)は17日、最新の世界ランキングを公表。リハビリからの復帰が遅れている錦織圭(日本/ユニクロ)は、最後に出場した昨年10月の「ATP1000 インディアンウェルズ」で2回戦へ進出した際に得た25ポイントを失ったことで、総ポイントが0に。これにより2010年4月12日以来に世界ランキングから姿を消すこととなった。錦織は来週24日から始まる「ラスベガス・チャレンジャー」のワイルドカード(主催者推薦枠)を得ているが、「楽天ジャパンオープン」のイベントにオンラインで出席した際に「今年は全く試合に出られなくなる可能性もある」と語るなど、先が見えない状態が続いている。
昨年のインディアンウェルズで優勝したキャメロン・ノリー(イギリス)は、新型コロナウイルスの陽性反応により「楽天ジャパンオープン」を欠場してから大会には出ていないため、955ポイントを失効して4ランクダウンの14位に。前回準優勝のニコラス・バシラシビリ(ジョージア)も先週はどの大会にも出場しておらず、36位から93位まで大幅に順位を落とした。
「ATP250 ヒホン」(スペイン・ヒホン/10月10日~10月16日/室内ハードコート)では、第1シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)が決勝でノーシードのセバスチャン・コルダ(アメリカ)を6-2、6-3で下して今季4冠目を手にした。シーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/11月13日~11月20日/室内ハードコート)へ3年連続での出場を目指すルブレフは、レースランキングでは現在6位につけている。これに関してルブレフは「(出場権を獲得できれば)本当に最高の気分になれると思うよ。選手たちがプレーすることを夢見てる大会だからね」と述べている。世界ランキングでは、順位を1つ上げて8位に浮上。
ワイルドカードで出場のアンディ・マレー(イギリス)や第3シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)を破って準優勝を飾ったコルダは、順位を47位から36位まで上げた。プロテクトランキングを使って出場した元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア)は、ツアーで7月以来のベスト4入りを果たし、33ランクアップの132位に。同じく準決勝まで駒を進めたノーシードのアルトゥール・リンデルネック(フランス)は、順位を5つ伸ばして51位とし、キャリアハイの48位に迫っている。
「ATP250 フィレンツェ」(イタリア・フィレンツェ/10月10日~10月16日/室内ハードコート)の決勝では、第1シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)がノーシードのJ.J.ウルフ(アメリカ)に6-4、6-4で勝利して、「ATP500 ロッテルダム」に続くシーズン2タイトル目を獲得。ルブレフと同じく「Nitto ATPファイナルズ」へ出場する可能性があるオジェ アリアシムは、レースランキングで前週「楽天ジャパンオープン」を制したテイラー・フリッツ(アメリカ)を抜き、7位に浮上した。「今のプランは、毎週プレーすること。レースは接戦だからこの後のアントワープ、バーゼル、パリでの大会に出場するつもりだ。テイラーやアンドレイのような選手がいるし、ほかにも多くの選手が出場権を勝ち取るために必死に競い合ってる。だから僕もトリノに行けるよう、可能な限り高い順位を目指したい」と意欲を語った。世界ランキングは3つ上げて8月以来にトップ10(10位)に返り咲いた。
ツアーで初めて準優勝を成し遂げた23歳のウルフは、75位から56位へと順位を伸ばしてキャリアハイを更新。ベスト4には地元勢で第3シードのロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)と予選から勝ち上がってきたミカエル・イーメル(スウェーデン)が名を連ね、前者は4アップの24位でキャリアハイを更新、後者は99位から79位へと順位を上げた。
日本人では、西岡良仁(日本/ミキハウス)とダニエル太郎(日本/エイブル)は先週大会に出場していなかったが順位は上がり、西岡は2アップでキャリアハイ更新の39位、ダニエルは1つ上げて95位に位置している。韓国のチャレンジャー大会で初戦敗退に終わった内田海智(日本/富士薬品)は、ポイントに変動はなかったものの順位は3つ上がり160位となった。
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【10月17日付最新ATPランキング】
順位(前週) 名前(国籍) ポイント
1. ← (1) カルロス・アルカラス(スペイン) 6,730
2. ← (2) ラファエル・ナダル(スペイン) 5,810
3. ← (3) キャスパー・ルード(ノルウェー) 5,600
4. ← (4) ダニール・メドベージェフ(ロシア) 5,155
5. ← (5) ステファノス・チチパス(ギリシャ) 4,930
6. ← (6) アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ) 4,860
7. ← (7) ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 4,320
8. ↑ (9) アンドレイ・ルブレフ(ロシア) 3,685
9. ↓ (8) テイラー・フリッツ(アメリカ) 3,195
10. ↑ (13) フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ) 3,115
11. ← (11) フベルト・フルカチュ(ポーランド) 3,085
12. ← (12) ヤニク・シナー(イタリア) 2,950
13. ↑ (14) マリン・チリッチ(クロアチア) 2,540
14. ↓ (10) キャメロン・ノリー(イギリス) 2,490
15. ← (15) パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン) 2,360
16. ← (16) マッテオ・ベレッティーニ(イタリア) 2,315
17. ← (17) フランシス・ティアフォー(アメリカ) 2,195
18. ↑ (19) カレン・ハチャノフ(ロシア) 1,990
19. ↓ (18) ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン) 1,975
20. ← (20) デニス・シャポバロフ(カナダ) 1,880
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24. ↑ (28) ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア) 1,516
36. ↑ (47) セバスチャン・コルダ(アメリカ) 1,125
39. ↑ (41) 西岡良仁(日本/ミキハウス) 1,052
51. ↑ (56) アルトゥール・リンデルネック(フランス) 932
56. ↑ (75) J.J.ウルフ(アメリカ) 836
79. ↑ (99) ミカエル・イーメル(スウェーデン) 667
93. ↓ (36) ニコラス・バシラシビリ(ジョージア) 585
95. ↑ (96) ダニエル太郎(日本/エイブル) 564
132. ↑ (165) ドミニク・ティーム(オーストリア) 426
160. ↑ (163) 内田海智(日本/富士薬品) 348
圏外. ↓ (759) 錦織圭(日本/ユニクロ) 0
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2021年「東京オリンピック」での錦織
(Photo by David Ramos/Getty Images)