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同性愛を告白し批判も受けたカサキナ、ロシア政府からスポーツ賞を受賞

ハンブルクでのカサキナ

テニスの元世界ランキング9位のダリア・カサキナ(ロシア)は、母国ロシアから国家的な賞を与えられた。カサキナは、わずか数ヶ月前にYouTube動画の中で自分が同性愛者であることをカミングアウトし、さらに若いロシア人テニス選手は国籍を変更すべきだと話しており、これを受けて複数の政治家が憤慨を表明していた。現在25歳のカサキナは、2021年の国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」でロシアが優勝したことを受け、「ロシアの栄えあるスポーツ熟達者」の称号を贈られた。英Express紙が報じた。

カサキナは今年7月にロシア人ブロガーとのインタビュー動画の中で、自身が同性愛者であることを明かし話題を呼んだ。練習拠点としているバルセロナで撮影されたこの動画でカサキナは、ロシアでLGBTQ+として生きることの懸念を語ったほか、若いロシア人テニス選手は国籍を変更した方が良い機会に恵まれるかもしれないと認めた。

これは母国で憤慨を引き起こし、ロシアの下院にあたる国家院の代議士ロマン・テリュシュコフ氏や元体育運動大臣のヴィタリー・ミロノフ氏などがカサキナを批判。カサキナは国籍を変更するという考えを奨励して「国家に対する罪」を犯しているというのがその主張であり、批判者たちはさらに、カサキナは「今風」に見せるためにカミングアウトしたにすぎないともほのめかした。

しかし、明らかに逆方向に舵を切る形で、6度のタイトル獲得を果たしているカサキナのスポーツ面での功績に対し、ロシアは国で最高の栄誉に数えられる賞を贈ることを決定。これは、「女子テニスのワールドカップ」と呼ばれる「ビリー・ジーン・キング・カップ」で、昨年ロシアが優勝したことを受けてのものだ。ロシアスポーツ省は、カサキナが「ロシアの栄えあるスポーツ熟達者」の称号を贈られる人々に含まれていることを発表した。

この称号は1992年に導入されたもので、ロシアの代表チームで優れた結果を達成したロシア人スポーツ選手に贈られる。カサキナと同様に、「ビリー・ジーン・キング・カップ」で共にプレーしたエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア)もこの称号を受けた。

昨年は男子の「デビスカップ」でもダニール・メドベージェフ(ロシア)やアンドレイ・ルブレフ(ロシア)らがロシアを優勝に導いたため、ロシアテニス連盟が完勝をおさめた年であった。しかし、現在はウクライナでの戦争への対応として、テニスにおける全てのチーム制の大会にロシア人選手は出場を禁止されている。つまり、今シーズン末の「デビスカップ」と「ビリー・ジーン・キング・カップ」で、ロシアはタイトル防衛ができないということだ。

元世界ランキング1位のエフゲニー・カフェルニコフ(ロシア)は、カサキナがこの賞を受賞したことが公表された後にカサキナへの支持を表明し、ここ数ヶ月の間に彼女を非難した人々を糾弾した。

「当然こうあるべきだ。誰が彼女を批判するんだ?取るに足りない人々の輪だよ。それ以外の人々は全てを理解していて、これは当然のことだとわかっている。ダリアは国に対してすごく貢献してきた」とグランドスラムを2度制しているカフェルニコフは語った。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真はハンブルクでのカサキナ
(Photo by Alexander Scheuber/Getty Images)

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