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46年ぶりの最年長記録更新！38歳ラムが初のダブルス世界1位に
10月3日のランキング更新で38歳のラジーブ・ラム（アメリカ）がダブルス世界ランキング1位となり、46年ぶりに最年長記録を更新するという偉業を成し遂げた。ATP（男子プロテニス協会）公式ウェブサイトが報じている。
前週まで世界2位だったラムは、ダブルスのペアとして数々の大会を一緒に制してきたジョー・ソールズベリー（イギリス）を抜いて世界の頂点に立った。ラムはダブルス世界王者になった今の心境をこう語っている。
「かなり凄いことだね。僕は長いキャリアを積んできたし、そのことには感謝している。でも、トップクラスの選手としてすべてのグランドスラムでタイトル争いに絡めるようになったのはジョーと一緒にプレーしてきたここ3、4年のことだ。僕だけでなく、多くの人が全力を尽くすことでやっとここにたどり着くことができる」
ラムは4月4日から世界2位につけており、今回のランキング更新でソールズベリーがニール・スクプスキー（イギリス）と組んで優勝した昨年の「ATP250 サンディエゴ」で得た250ポイントを失ったことで、ラムとソールズベリーの順位が逆転することになった。
38歳のラムは、1976年に36歳で初めて世界1位となったボブ・ヒューイット（南アフリカ）を抜いて、キャリアで初めてダブルス世界1位に輝いた最年長の男子選手となった。記録については普段あまり話したがらないラムだが、今回の記録には特別な感情を抱いているようだ。
「今はこの記録を達成できて感謝の気持ちでいっぱいだ。たとえ時間がかかっても成し遂げられるということを示すことができた。何度も立ち直り、努力を続けていれば、人より遅くてもこういうことを達成することができる。みんながそれぞれの道を歩んでいるわけで、もしかしたら時間がかかった分だけ喜びも大きいかもしれない」
ラムはイリノイ大学に在籍していた2003年にダブルスで勝利を挙げ、チームの全米優勝に貢献。翌2004年にプロに転向したラムは先にシングルスで成功を収め、2009年と2015年に「ATP250 ニューポート」を制し、2016年にキャリアハイとなる世界56位まで上り詰めている。2017年からダブルスに専念するようになり、そこからダブルスの名手としての地位を着々と築いていった。ラムは転換期となった当時をこう振り返る。
「ダブルス（中心）でプレーし始めた2017年にキャリアをリセットしたような感じだった。そこからまだ5年くらいしかプレーしていないから、すごく時間が経ったようには感じていないよ。だから、キャリア当初からずっとダブルスをやってきて38歳で突然ここまで来たというのとは、少し違う気がする」
「ダブルスで自分の能力を最大限に発揮するためには、すべての意識をそこに集中させる必要があると思った。それが、僕のやってきたことだ。安定したパートナーがいることや、互いに信じ合って信頼している仲間が周りにいること。これはその結果なんだ」
ラムとソールズベリーはペアとして3つのグランドスラムを含む8つのタイトルを獲得しており、トップ8組だけが参加できるシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」にも2019年から出場し続けている。今回ラムが世界1位になったことで、名実ともに最強のペアであることを証明した。ソールズベリーはラムのためにトップの座を明け渡すことができて嬉しいと祝福の言葉を送っている。「ナンバー1のダブルスペアなのであれば、二人とも世界1位の座を経験するべきだ。僕は世界1位になれた喜びを十分に味わったから、彼が今回トップに立てたことを心から嬉しく思っている。一緒に組むようになってからというもの、彼はずっと素晴らしいパートナーでいてくれたからね」
506週にわたってダブルス世界1位の座を維持したレジェンドのマイク・ブライアン（アメリカ）も、「ラジーブはこの栄養にふさわしい選手で、30代後半でこれだけの成功を収めたことは素晴らしい。献身と努力の賜物だ。おめでとう、RR！」とラムを褒め称えている。
ラムは世界1位になったことに興奮しながらも、自分の技術を磨き続け、ソールズベリーとともにトップに立ち続けることに意欲を燃やしている。「ほかの選手も同じようにどんどん強くなっていくから、自分自身のプレーを維持し、上を目指し続けようと思っている。これに甘んじて向上することを止めてしまったら、当然周りに追い抜かれていくだろう」とラムは述べている。
（WOWOWテニスワールド編集部）
※写真は「全米オープン」優勝トロフィーを抱えるラム（右）とソールズベリー
(Photo by Diego Souto/Quality Sport Images/Getty Images)
