19歳のカルロス・アルカラス(スペイン)は、第3シードとして出場した「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月29日~9月11日/ハードコート)男子シングルス決勝で第5シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)に6-4、2-6、7-6(1)、6-3で勝利し、グランドスラム初優勝を果たすとともに、史上最年少で初めての世界王者になることを確定させた。そんな彼の試合後の記者会見でのコメントをお伝えしよう。
19回目の誕生日を迎えた直後に2005年の「全仏オープン」を制したラファエル・ナダル(スペイン)に次いで、19歳4ヶ月でグランドスラム優勝を果たしたアルカラス。今回の優勝によって初のグランドスラムタイトルを手にしただけでなく、世界ランキングが大会前の4位から1位へ浮上し、現行のランキングにおいて初めて10代での世界王者となった。
アルカラスのこれまでのグランドスラムでの最高成績はベスト8だったが、そこから一気に頂点まで駆け上がることになった。試合終了後、コーチで元世界王者のファン カルロス・フェレロ(スペイン)をはじめとしたチームや家族と抱き合って涙を流していたアルカラスだが、この結果に満足してはいない。
「2週間にわたって高いレベルでプレーし続けたことで、これまでの自分を少しだけ超えることができた。世界1位になれたことも本当に嬉しいけど、まだ僕は成長中だよ」
「19歳にしてこんなことを成し遂げられるなんて思っていなかった。信じられない気分だよ。テニスを始めた頃からの夢だったけどね。モントリオールやシンシナティの大会では喜びを感じられていなかった。プレッシャーの影響で、コートで笑えなくなっていたんだ。でもここへはエンジョイするために来た。笑顔を忘れず、プレーを楽しむためにね。そうすれば、自分にとって最高のテニスができる。ファン カルロスをはじめとしたチームのみんな、家族のおかげで、再び楽しめるようになったよ」
「今はこの瞬間を楽しみたいけど、これで満足してはいない。1位の座を長く保ちたいし、今後も優勝できるよう戦い続ける」
なお、決勝でサーブ&ボレーを多用したことについては以下のように説明した。「フアン カルロスと試合前に話して、ルードは深いショットを打ってくるから、ボレーが有効だという話になったんだ。今日はサーブも良かったね。緊張からサーブ&ボレーをしてしまうことも多かったけど。ベースラインの打ち合いでは彼の方によりチャンスがあるだろうから、僕は前に出ようと思ったんだ」
また、大会前にアルカラスを優勝候補として挙げていたニック・キリオス(オーストラリア)から優勝後にInstagramのDMが届いていたそうで、「彼からの“だから言ったろ”というメッセージは見たよ」と笑顔で明かしている。
キリオス以外にも多くの選手、レジェンドが称賛のコメントを寄せている。ナダルが「グランドスラム初優勝と世界1位おめでとう。今後もさらなる成功を収めるだろう」と綴ったのをはじめ、ステファノス・チチパス(ギリシャ)、イガ・シフィオンテク(ポーランド)、ロッド・レーバー(オーストラリア)、ビリー・ジーン・キング(アメリカ)とった面々もあとに続いている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全米オープン」で優勝トロフィーを抱えるアルカラス
(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)