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ロシア選手の試合でウクライナ国旗をまとった観客が退席を命じられる

「WTA1000 インディアンウェルズ」で妹のイバンカ(右)とともにウクライナ国旗を掲げるデヤナ・イエストレムスカ

ロシアの選手同士が対戦した「WTA1000 シンシナティ」(アメリカ・シンシナティ/8月15日~8月21日/ハードコート)の予選で、ウクライナの国旗をまとった観客が退席を命じられるという出来事があった。豪ニュースサイト nine.com.auなど複数のメディアが報じている。

世界ランキング54位のアナスタシア・ポタポワ(ロシア)と世界69位のアンナ・カリンスカヤ(ロシア)が対戦した予選2回戦で、大きなウクライナ国旗を身体に巻き、ウクライナの伝統的な花飾りを頭に乗せた一人の女性が主審席のすぐ後ろで観戦していた。これに対して選手の一人が不愉快だと主審に訴えたため、試合は2度も中断されることに。米New York Times紙のテニスライターであるベン・ローゼンバーグ氏が伝えたところによれば、主審はフェンス越しにその女性に対して、国旗をまとって観戦することは「良くないので、旗をしまってください」と言ったところ、その女性は「他国を侵略するのも良くないわ」と返したという。彼女は主審とのやり取り以外は静かに試合を観戦していた。

試合はそのまま再開されるも、2分と経たないうちに再び中断され、今度は警備員が退席しなければ警察を呼ぶと脅し、女性はおとなしくコートから立ち去っている。その後、大会の警備責任者に声をかけられたローラというこの女性は、国にかかわらず、46cm四方を超える大きさの国旗を持ち込むことは規則で禁止されていると告げられたという。大会の公式ウェブサイトにもその旨が記されており、運営側もそのことを主張する声明を出している。一方、ローゼンバーグ氏は「同じような大きさの旗が何年も前からここのスタジアムの周りで振られたり、飾られたりしていたが、その多くはアメリカやセルビアの国旗だった」と指摘する。

国旗を車に置いてくるよう指示されたローラさんはそれに従い、再入場を許可されている。しかし、大会側はローラさんの出で立ちに不満を抱いた選手の要求に主審が応じた点や、過去に同じ大きさの旗が持ち込まれている点については触れておらず、これまでのところWTA(女子テニス協会)からのコメントもない。

この一件に対して、元世界13位で2021年に現役を引退しているアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)が怒りを露わにした。ロシアによるウクライナ侵攻が始まった直後に母国の予備軍に加わり、今も戦地にいるドルゴポロフはTwitterにこう綴っている。「僕のテニスを称賛してくれて、アメリカの大会に足を運ぶ予定のみなさん、ロシア人またはベラルーシ人が出場するすべての試合にウクライナの旗を持っていってください。我が国は血と野蛮な暴力に溺れている。ウクライナの旗をただ持って黙っているサポーターをいじめるロシア人は許さない!敬意を払え」

なお、この試合に勝利したカリンスカヤは本戦の1回戦で世界26位のマルチナ・トレビザン(イタリア)を破り、2回戦で第6シードのアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)と対戦する。ポタポワもラッキールーザーとして本戦入りを果たしたが、初戦で第15シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)に敗れている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「WTA1000 インディアンウェルズ」で妹のイバンカ(右)とともにウクライナ国旗を掲げるデヤナ・イエストレムスカ
(Photo by Robert Prange/Getty Images)

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